足の親指の裏にできた大きなウオノメが痛い原因は何なのか?

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お嬢様と一緒にひとりの女性の方が来院されました。
左足の親指の裏にウオノメ(鶏眼)ができて、歩くときに痛いとのことでした。
家の中でも外でも、底の硬いクロックスを履いていらっしゃいます。
それを履いて歩くと痛くないということです。
なぜそんなところにウオノメができたのでしょうか。

1.病歴と現在の症状

まずその親指の裏にできたウオノメをご覧いただきましょう。

足の親指の裏のタコ

左足の親指の裏にできたタコ

左足の親指の裏に大きなウオノメができています。
これが歩行中に痛みを出すのです。

この方のこれまでの症状をお伺いしてみました。

  1. 約25年前から慢性関節リウマチが出ていて、手にも多少の症状があるがそれほど強くはない。慢性関節リウマチには遺伝的な要因が示唆される研究があるが、この方の近親にリウマチの人はいない。
  2. 左ヒザが変形性膝関節症になって痛みもあったが、約10年前に手術を受けて痛みはなくなっている。
  3. 3年ほど前から左足の親指が反ったままで元に戻らなくなった。またその爪にも変形が出ている。
  4. 右足も右足も外反母趾の状態である。

次の画像のように左足の親指が反りかえっていて、その爪にも変形があります。

反りかえった親指

反りかえった親指

下記の写真から分かるように、右足にも左足にも外反母趾があります。まずは左足から。

左足の外反母趾

左足の状態

反対の右足は次のような状態です。

右足の外反母趾

右足の状態

2.今回のトラブルの発生メカニズム

2-1.足の捻じれ

この方にベッドでうつ伏せになっていただき、足の捻じれの状態を診てみました。

足のねじれの見方

足の捻じれ・ゆがみの観察

すると左右ともに足の前半分の内側が上がった変形が見られます。
しかも左足の方の捻じれが強いことが分かりました。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足

このような足の人が歩行すると足が大きく内側に倒れます(例外もあります)。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。

すると足の親指の付け根にある第1中足骨ちゅうそっこつは④~⑥の3つの方向に大きく動かされます。

過回内と骨の異常な動き

過回内カカトが倒れるとその動きは足先の方に伝わる。

正常な人でも第1中足骨はこの3つの方向に動かされるのですが、
足の前半分の内側が上がっている人は、その動きの程度が正常の人よりも大きいのです。
⑥の方向に大きく動くと外反母趾になります。

外反母趾発生時の骨の動き1

外反母趾発生時の骨の動き1

この方の場合は⑥だけではなく、④の動きも大きいのです。
すると親指の付け根で、第1中足骨と親指の骨(基節骨きせつこつ)が衝突しやすくなります。

第1列の運動

2つの骨が衝突する。
 Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p19

やがてこの部分で変形性関節症へんけいせいかんせつしょうが起こり、この関節が動きにくくなります。
これは強剛母趾きょうごうぼしとか強直母趾きょうちょくぼしとかいわれる状態です。
強剛母趾に関しては「親指の付け根が反らなくなり、蹴るときに痛みが出る強剛母趾の治し方」に詳しく書いています。

2-2.強剛母趾の影響

強剛母趾を起こした親指の付け根の関節に強い痛みが出る場合は、
親指を反らさないように歩くのですが、
それほど痛みが出ない場合には、やはり親指に体重をかけようとします。

すると(反らない状態の)親指の付け根の関節の代わりに、
親指の中にある関節を反らして歩こうとします。
やがてこの方の場合のように、親指の付け根ではなくて親指そのものが反ってくるのです。

強剛母趾

10年ほど前に来院されたされた方の親指。痛みはないが、親指の裏にタコができていた。

その結果、親指の裏には大きな圧力がかかり、そこにタコ(胼胝)やウオノメ(鶏眼)ができてしまいます。

2-3.生活習慣

しかしこの方の場合は反り方はかなり程度が大きいです。
どうしてこうなったのでしょうか。

お話をお伺いするとご趣味でお花を作っているそうです。
大きめの長靴を履いて作業しているそうですが、ここに問題があると思われます。

まず長靴は足のカカトに相当する部分があまり硬くはありません。
するとカカトをしっかりと支えられないので、足が内側に倒れやすくなります。

さらにこの方の場合は大きめの長靴を履いているそうなので、
いっそう足を支えることができず、足は内側に倒れるようになります。
ますます親指の付け根で骨同士が衝突するようになります。

また長靴の底はあまり硬くないので、
親指の中の関節にも、親指の付け根の関節にもストレスがかかりやすくなり、
やがて(曲がりやすい方である)親指の中の関節で、親指自体が反ってきます。

さらに庭での作業では親指を反らす蹲踞そんきょの姿勢を取ることがたびたびあります。
蹲踞そんきょの姿勢を取ると、足の親指は慢性的に反らされるので、このような変形を誘発しやすくなります。

蹲踞

足の親指を反らす姿勢庭仕事では足の親指を反らすことが多い。

2-4.左ヒザとの関係

また左膝を悪くしたのも足が内側に倒れ過ぎることと多いに関係があります。
足が内側に大きく倒れると、下腿部かたいぶ(ヒザと足首の間)が内側に大きく捻じれます。

これが長年繰り返されると、ヒザの関節を構成する大腿骨だいたいこつ脛骨けいこつの間に
大きなストレスが加わり続けることになります。
これはヒザの関節の変形につながります。

また大腿部の前面にある筋肉が使われ過ぎて 筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを起こし、
ヒザに痛みを出すようになります。

3.対策

3-1.靴

靴は構造的に優れたウォーキングシューズで、
かつ親指の付け根で反りにくいものを選ばねばなりません。

靴底が先までまっすぐであると踏み返しができないので、
つま先が上がっているものでなくてないけません。

3-2.室内履き

室内でも足底板を入れたウォーキングシューズが良いのですが、
日本の住宅事情ではそれが難しいので、
それに代わるものとして特殊なサンダルをお勧めしました。

これはアメリカの足病医が開発したものです。
クロックスは鼻緒がないし、足の甲で固定することもできないので、
足が内側に倒れやすくなりますので避けた方が無難です。

3-3.作業靴

菜園や花壇での作業も足底板を入れたウォーキングシューズが理想なのですが、
それができない場合にはなるべく足に合った大きさの長靴を選びます。

その中に足底板を入れると同時に、
長靴を履いた後にその甲の中央部を紐で縛っておきます。
そうすると長靴の中で足が動きにくくなります。

縛っておかないと前滑りして長靴の先端部に足先が押しつけられるので、
足の親指の変形や爪の変形が起こる可能性が大きくなります。

また蹲踞そんきょの姿勢はしてはいけません。

3-4.足底板

足底板は体重をかけない状態で作製しなければいけません。
体重をかけると足そのものがつぶれてしまいますので、
足の理想的な形が維持できなくなって、よい足底板が作れなくなります。

足底板の作製

体重をかけずに作る足底板

またカカトが入る部分が硬くてしっかりしたものでなくてはいけません。
ここが弱いと足が内側に倒れやすくなります。

下の写真の左はカカトを保持する部分が柔らかすぎるものです。
これではカカトを支えることができません。

右はカカトの部分がかなり硬いものです。握っても変形しません。
右のものぐらい硬くないと、カカトを支えることはできません。

足底板

足底板の比較左は柔らかすぎる足底板。右のものぐらい硬くなければならない。

またこの部分が硬い足底板は足裏の脂肪組織を寄せ集めますので、足のクッション作用も向上させます。

足底板のクッション作用

右が柔らかい足底板で、左が硬い足底板。クッション作用の違いは明らか。(Do Your Feet Hurt ?. 株式会社インパクトトレーディング, p3)

上記の対策を続けていくと、症状は改善するものと思われます。

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治療家も真っ青!超短期間で痛みを1/10にする方法

この記事は 2で読めます。

足や膝や腰のトラブルに関しては

さまざまな施術方法が存在します。

 

しかし欧米で研究が進んでいる「足病学」の理論に基づいた施術方法は

まだ一般的には知られていません。

 

私たちの身体の構造は多くは遺伝によって

両親から引き継いでいます。

足の構造も両親のどちらかから引き継いでいるのです。

 

足に異常な構造があると、それは足の異常な動きを生みだし、

さらにスネ、膝、フトモモ、骨盤、背骨に異常な動きを発生します。

 

その異常な動きは

シンスプリント、変形性膝関節症、変形性股関節症、坐骨神経痛、

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰痛、

頸の痛み、猫背、ストレートネックなど

さまざまなトラブルを引き起こすのです。

 

これらの疾患から来た痛みを改善するのには

まずは足の異常な構造を足底板(そくていばん)によって補正し、

足の正しい動きを作ってやらなければなりません。

 

そして身体の動きを正常に近づけた上で、

痛みを出している部分(ほとんどは筋肉です)の施術を行います。

 

欧米では足底板はごく一般的に使用されていますが、

日本ではあまり一般には知られていません。

 

あなたも足病学に基づく施術を受け、

一日も早く、身体のトラブルを改善させてください。


一日も早く身体の痛みを解消したい方はこちらへ

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