親指が反りにくく、親指の裏にいつもタコができて削っている

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大学生と高校生の二人の子供さんを持つ主婦の方がいらっしゃいました。1年前に左足の親指の付け根が痛くなり、半年ほど治療院に通い、痛みはなくなりました。当初は形も改善すると言われましたが、形は変わらなかったそうです。
現在は外反母趾の痛みはないのですが、体重をかけずに作る足底板がよいと知って当研究所にいらっしゃって下さいました。

1.当研究所に至るまで

大きい靴がよいと思い、十代から広めのスリッポンタイプの靴を履き、社会人になった二十代はヒール高が4~5センチのパンプスを履いていました。
とくにスポーツの経験はありませんが、高校生から成人になるまではクラシックバレエを行っていたそうです。

以前にオーダーメイドの中敷きを作ってもらいましたが、まったく足に合わなかったそうです。
そのときは体重をかけて足型を採ってもらいました。

1年ほど前に左足の親指の付け根が痛くなり、治療院に通い始めました。
半年ほどして痛みはなくなりましたが、外反母趾気味だった親指の形は変わらなかったのでした。

2.当研究所で分かったこと

まずスキャナーで足の裏の画像を撮ってみました。
すると右足の第2~4指を除くすべてが浮き指の状態です。
また右足が左足に比べて小さいのが分かります。

スキャナー画像

足の裏のスキャナー画像

次に実際に足を観察してみました。
左足の親指の付け根が少し膨れています。
また左親指が少し反り気味です。これは横から見るとよく分かりました。

左の親指が少し反っている。またその付け根が膨らんでいる。

足裏も診てみました。
親指にタコができています。これをいつも削っているようです。

親指の胼胝

赤い丸の部分に削った胼胝(タコ)の痕があります。

この方の足のゆがみを診ると、右足は前足部(足の前半分)の外側が少し上がったタイプです。
また左足は前足部の内側が少し上がったタイプです。下図は右足の内側が上がっていることを示していますが、この方は左足がこのような状態なのです。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足

3.左足の親指になぜタコができたのか

この方の左足は前足部が後足部に対して少し上がった状態です。
このタイプの足が地面に着くときには、カカトが内側に倒れ過ぎます(下図は右足で説明しています)。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

すると第1中足骨ちゅうそっこつは④~⑥の3つの方向に動かされ過ぎます。正常な足でもこの3つの方向に動かされるのですが、カカトが倒れ過ぎると、3つの方向の動きの度合いもスピードも大きくなるのです。

過回内と骨の異常な動き

過回内カカトが倒れるとその動きは足先の方に伝わる。

この位置(親指の裏側)にタコができているのは親指の付け根の関節が反りにくいからです。
とくに④の動きが大きいと親指の付け根の関節で、第1中足骨ちゅうそっこつと親指の骨(基節骨きせつこつ)が衝突しやすいのです。

第1列の運動

第1列の運動
Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p19

この方の場合は体重をかけない時には親指の付け根の関節がよく反るのですが、体重をかけるとあまり反りません。
親指の付け根が反りにくい結果、親指そのものに体重がかかり過ぎてタコができているのです。
また反りにくい親指の付け根の関節の代わりに、親指の中にある関節が反らされるため、親指の先が反っているのです。

親指の浮き指

親指の付け根の関節が反りにくくなり、変わって親指の関節が反るようになる。

たぶん1年前に感じた痛みは、外反母趾の痛み、つまり左親指の付け根の内側の痛みではなく、
機能性強直母趾きのうせいきょうちょくぼしによる痛みだったのでしょう。
機能性強直母趾というのは、体重をかけないときには親指の付け根の関節が反るのですが、
体重をかけると反りにくくなる状態をいいます。

この方は短期間ですが、クラシックバレエをされていました。
これが外反母趾の原因かというと、最近見つけた論文によるとそうでもなさそうです。
クラシックバレエを行なうと外反母趾になるというのは間違い

外反母趾は遺伝的要因が強いので、近親者に外反母趾はいないとは仰っていましたが、
もしかしたらこの方の両親あるいは祖父母が外反母趾であったのかもしれません。

購入していらっしゃった靴に足底板をお作りいたしました。
2~3か月後、足のタコにどのような変化があるかが楽しみです。

足底板

足底板

外反母趾の方は症状を悪化させないために、あるいは足の捻じれの影響がヒザや腰や首に及ばないようにするために、いつも足底板を入れたシューズを使った方がいいです。
また家の中にいるときに、米国の足病医が開発した特殊なサンダルを履いておくこともお勧めです。

サンダル

足病医の開発したサンダル

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