外反母趾の治し方のひとつであるテーピングの期間を知りたい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

この記事は 9で読めます。

テーピングは外反母趾の治療法の一つとして代表的なものですが、どのくらいの期間行ったらよいのでしょうか。
このような質問は過去にずいぶん患者様から受けました。そのころはまだテーピング中心の治療でしたので、患者様はテーピングを行う期間を私に質問したわけです。
現在はテーピングをあまり積極的には勧めず、足底板を中心にしていますから、こういう質問が出ることはないです。しかしテーピングをされている方は気になると思います。それについての見解を述べたいと思います。

1.何のためにテーピングを行うのか

苦労して日々テーピングを自分で貼っている方、あるいは施術所で貼ってもらっている方にとって、どのくらいの期間にわたってテーピングを貼り続けたらいいかは大きな問題です。

1~2週間で終了するようなものならば、別に気にはしないでしょうが、どう考えてもすぐに終わりそうにないことは患者様にも何となく分かるはずです。

そこでまずは外反母趾の患者様がテーピングを貼る目的をはっきりさせましょう。それは次の2つです。

  1. 変形して外側に曲がった親指を元の形に戻す。
  2. 親指の付け根に生じる痛みを取り除く。

外反母趾に関してはこれ以外の目的はないのではないかと思います。

 

2.形を元に戻す目的で行う場合

2-1.続けられないテーピング

ではまず、変形して外側に曲がった親指を元の形に戻すことを考えましょう。

テーピングを貼ると曲がっていた親指が比較的真直ぐになります。
その状態を初めて見た患者様は、テーピングを貼り続けると将来は変形した親指が元に戻ると感じるはずです。
そしてせっせとテーピングを貼り続けます。

しかし中々元に戻らない。
治療所に行けば整体料金も負担しなかればいけません。
自分で貼ればテープ代だけでよいのですが、時間がかかるし面倒です。

しばらくテーピングを続けていても、あまり形に変化が見られないため、
テーピングを辞めてしまう人が出てきます。

2-2.なぜ続かないのか

なぜテーピングを止めてしまうのでしょうか。
テーピングが面倒、お金がかかる、入浴が面倒など色々な理由があるでしょう。

しかし形が確実に改善するのが分かれば、続けようと思うはずです。
続けられないのは、足の形の変化が認識できないからなのでしょう。

では足の形は変化しないのでしょうか。
はい。ほとんど変化しません。

「え?」

外反母趾の確かめ方と外反母趾に似た1つの病気との見分け方」で、外反母趾の症状による分類をお話ししました。

2-2.症状による分類

また症状によっても分類されています。

2-2-1.可逆期

「可逆(かぎゃく)」とは元に戻りうるという意味です。
そして可逆期とは自分で足の親指に力を入れたり、自分の手で親指を引っ張ると、親指が元に戻る状態です。
靴の中では靴に押されて親指が外側に移動していますが、靴を脱げば元の正常な 状態に戻ります。
筋肉・靭帯・関節包がまだ十分に伸び縮みする状態にあります。

2-2-2.拘縮期

続いて可逆期から拘縮(こうしゅく)期に入ります。
「拘縮」とは関節の動く範囲が制限されることです。

この時期には足の親指の付け根の関節の靭帯や関節包が固まってしまい、
親指を外側(小指側)に動かす筋肉も縮こまるため、自分で親指に力を入れても、
自分の手で親指を引っ張っても、親指は元の正常な状態には戻らなくなります。
2-2-3.進行期

拘縮期を経ると進行期になります。
足の親指の関節が、親指を曲げる筋肉の腱の外側に出てしまいます。
こうなると親指に体重をかけたり、親指を使って歩こうとするだけで親指が外側に曲がるようになります。

2-2-4.終末期

そして外反母趾は最終段階になります。
親指の付け根の関節が脱臼し、さらに第2指が親指の上に重なるようになります。

上記のように4つに分類されますが、この中で最初の「可逆期かぎゃくき」にある場合は比較的、形が元に戻りやすいのですが、この時期を超えると形を元に戻すのは至難です。

中にはすでに「拘縮期こうしゅくき」に入っているのに、形が治るものと信じてテーピングを続けている人がいます。私は過去20年間に数えきれない方々、おそらくのべ1万人近くにテーピングを行いましたが、形が元に戻ったのを確認できたのは2人だけです。そのうちのひとりは再発しています。

テーピングではありませんが、有名な女子アナウンサーがつま先運動を続けることで、外反母趾を完治させたのをテレビでやっていましたが、このアナウンサーの数年後のブログには外反母趾の痛みがふたたび出ていることが書かれています。

つまり形が元に戻るのはとても症状が軽い場合のみであり、また仮に元に戻ったとしても再び変形することもあるのです。

2-3.なぜ変形が元に戻らないのか

どうして変形が元に戻らないのでしょうか。その前にどういうメカニズムで外反母趾になるのかを説明しましょう。これが分からないと元に戻らない理由が理解できません。

外反母趾になる多くの人はもともと外反母趾になりやすい構造の足を持っているのです。その代表的なものに足の前半分の内側が上がった構造のものがあります。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p8)

 

足のねじれの見方

こうやって足の変形(ねじれ・ゆがみ)を見ます。

このタイプの足が地面に着くときに、足は大きく内側に倒れます。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

するとスネにある前脛骨筋ぜんけいこつきんという名前の筋肉の働きで第1中足骨ちゅうそっこつが④~⑥の3つの方向に動かさせるのです。
正常な人でもこの3つの方向の動きはあるのですが、外反母趾になりやすい足ではその動き方が大きいのです。

過回内と骨の異常な動き

過回内カカトが倒れるとその動きは足先の方に伝わる。

第1中足骨ちゅうそっこつ(+内側楔状骨ないそくけつじょうこつ)は⑥の方向(ブルーの矢印)に大きく動きますが、そのときに親指の骨は地面に固定されていますので、親指の付け根の関節がずれるのです。ひどくなると亜脱臼を起こします。

外反母趾発生時の骨の動き1

外反母趾発生時の骨の動き1

立ち上がって歩くたびにこの異常な動きが発生するのです。そしてだんだん変形がひどくなり、関節周囲の靭帯じんたい関節包かんせつほうも固まってきます。

いくらテーピングを貼っても、すでに靭帯じんたい関節包かんせつほうは硬くなっているし、骨が絶えず外反母趾になる方向に力を加えられ続けているのです。

外反母趾になる方向に絶えず骨を動かしながら、外反母趾を治そうとしてテーピングを貼り続けるのは、
まるで甘いものや油ものをおなかいっぱい食べながら、体重を減らそうとして運動をしているようなものです。

またこのような骨の動きが止まらないので、形が元に戻ったとしても、再び外反母趾になるわけです。

 

2-4.テーピングの効果を出す方法

ではどうしたらいいのでしょうか。
それは外反母趾になる方向に骨を動かさないようにすればいいのです。

そのために足底板そくていばんを使うのです。
足底板を使って骨の異常な動きを止め、その上でテーピングを貼るのです。

足底板の挿入

完成した足底板をクツに装着する。

 

足底板のイメージ図

足底板のイメージ図

しかし拘縮期こうしゅくきに入ると、足底板を入れてもなかなか形は戻りにくいです。もちろん足底板を使わない場合よりは改善しやすいですが。また可逆期かぎゃくきの場合に足底板を使うと、改善のスピードが上がり、再発の恐れも減少することと思われます。

 

3.痛みを取り除く目的で行う場合

痛みを取り除く目的でテーピングを行う時も同じです。
痛みが出るのは親指の付け根の内側がクツで擦れたり、クツに圧迫されたりするのが原因ですが、これもその足の構造が原因です。

ですから足の構造の悪い影響が出ないように足底板を入れておけばいいのです。そして可逆期かぎゃくきにある外反母趾でしたら、足の形を戻すためにテーピングを行えばよいです。

拘縮期こうしゅくきあるいはそれ以降の状態にある外反母趾でしたら、テーピングを行った上に包帯を巻いて、同時に足底板も使うのがよいです。包帯と足底板だけでも痛みが止まる人もあるし、中には足底板だけで十分な人もいます。
包帯を使ったテーピングに関しては、「痛みのある外反母趾に効果的なテーピングを行う超簡単な方法」にやり方が書かれています。
包帯の巻き方7

4.テーピングの期間

可逆期であれば、テーピングと足底板を併用し、つま先運動などを行いながら、テーピングを続けるといいです。
痛みは1週間もあればなくなると思います。足の形に関しては半年ほど続けても変化がなければ、専門家に相談してください。

拘縮期以上でしたら、変形を治すためにテーピングを行うのはあまり意味がありません。痛みを止めるのでしたら、テーピング、包帯、足底板を併用してください。1か月しても痛みがなくならなければ専門家に相談した方がいいです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

治療家も真っ青!超短期間で痛みを1/10にする方法

この記事は 2で読めます。

足や膝や腰のトラブルに関しては

さまざまな施術方法が存在します。

 

しかし欧米で研究が進んでいる「足病学」の理論に基づいた施術方法は

まだ一般的には知られていません。

 

私たちの身体の構造は多くは遺伝によって

両親から引き継いでいます。

足の構造も両親のどちらかから引き継いでいるのです。

 

足に異常な構造があると、それは足の異常な動きを生みだし、

さらにスネ、膝、フトモモ、骨盤、背骨に異常な動きを発生します。

 

その異常な動きは

シンスプリント、変形性膝関節症、変形性股関節症、坐骨神経痛、

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰痛、

頸の痛み、猫背、ストレートネックなど

さまざまなトラブルを引き起こすのです。

 

これらの疾患から来た痛みを改善するのには

まずは足の異常な構造を足底板(そくていばん)によって補正し、

足の正しい動きを作ってやらなければなりません。

 

そして身体の動きを正常に近づけた上で、

痛みを出している部分(ほとんどは筋肉です)の施術を行います。

 

欧米では足底板はごく一般的に使用されていますが、

日本ではあまり一般には知られていません。

 

あなたも足病学に基づく施術を受け、

一日も早く、身体のトラブルを改善させてください。


一日も早く身体の痛みを解消したい方はこちらへ

コメントを残す

*

CAPTCHA