ハイヒールのパンプスが女性に及ぼす6つの悪影響とその対策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

この記事は 13で読めます。

今から約15年前に、男の私は生まれて初めてハイヒール(ヒール高が約6センチ)を買い、そして履いてみた。外反母趾について書く以上は、一度は履いてみるべきだと思ったからである。

昼間は恥ずかしいので夜中の1時頃に家を出た。ハイヒールが少し隠れるくらいの長めのジーンズを履いて、なるべく人通りのない暗闇の中を歩いてみた。

初めは少し不安定だなと感じただけであったが、そのうちにフクラハギが張ってきてつらくなり、さらに身体全体に力が入ってしまって30分経つ頃にはもう歩く気力がなくなってしまった。その時に思った。女性はこんなものを履いてよく長時間歩けるものだなと。今回はそのハイヒールについて述べてみたい。

目次

1.ヒールの理想的な高さについて

1-1.低いヒールが良い訳ではない!

パンプスのヒールは低いほどよいのかどうかという実験が行なわれた。その結果は「婦人靴歩行時の疲労測定について:第1報 エネルギー代謝ならびに循環機能への影響」(注1)というすばらしい論文にまとめられている。

まずヒールの高さを2.5センチ、4.5センチ、6.5センチ、9センチと変えた4種類のパンプスを作る。ヒールの高さ以外のパンプスの素材やデザインは統一されている。この4種類のパンプスを履いたときのそれぞれのエネルギー代謝量や呼気量を測定する。

すると代謝量や呼気量は4.5センチのパンプスを履いたときが最も低く、2.5センチ、6.5センチ、9センチの順番で高くなることが分かった。

またヒールが高くなるほど上体は前に倒れるが、ヒールが低いときは逆に上体は後ろに倒れ、4.5センチのときがもっとも重心とのバランスが取れている。

さらに足裏全体にかかる圧力は4.5センチのときがもっともバランスが取れて均一になっていることが判明した。

これらのことからパンプスのヒールは低いほどよい訳ではないことが分かったのである。

(注1)福田明子、大野静枝、田中法子(1986)「婦人靴歩行時の疲労測定について:第1報 エネルギー代謝ならびに循環機能への影響」, 『日本女子大学紀要.家政学部』 33, pp. 75-79, 日本女子大学家政学部.

1-2.ヒールの高さと足のあおり

人間が歩くとき、まずカカトの外側が地面に着き、次に小指の付け根、それから親指の付け根が付き、最後に第1~3指で蹴り出す。これが正しい歩行で、外側から内側にあおって歩くので、「あおり歩行」と呼ばれている。

あおり歩行

あおり歩行

この「あおり歩行」を発見したのは近藤四郎先生だが、ヒールの高さが3センチを超えると、体重はカカトから指の付け根に直線的に移動するとのことだ。足をあおっていたら転倒するからだそうである。

以上のことを考えるとヒールの高さは3~4センチが理想ではないかと思う。もちろんその人の身長によっては多少値が前後するだろうが。

2.ハイヒールの欠点

2-1.足の前滑り

ハイヒールの中で足が前滑りして、指が先細の靴に圧迫されて外反母趾になったり、ハンマートゥになったりする。とくにハイヒールを履くときには、多くの女性が滑りやすいパンストを履いているので、この前滑りは一層大きなリスクとなる。

2-2.フクラハギの緊張

ハイヒールを書くと、つま先立ちの状態になる。すると重心が前に移動するので、絶えずフクラハギの筋肉が緊張し続けることになる。地面を蹴るときには、フクラハギの筋肉が収縮してカカトを持ち上げるのであるが、すでにハイヒールを履いた状態でフクラハギの筋肉は収縮しているので、しっかりと地面を蹴ることができなくなる。

また筋肉が緊張を続けると、筋肉そのものが硬くなってきて、血管を圧迫するようになり、脚の冷えにつながることもある。

2-3.足首の動きの悪化

フクラハギの筋肉が緊張すると、スネの筋肉や足首の内側、外側の筋肉も緊張して、足首そのものの動きが悪くなる。すると歩行中に転倒しやすくなる。老人が転倒しやすいのは足首が硬いのが大きな原因なのであるが、ハイヒールを履き続けると、老人ではなくても転倒しやすくなるのである。

2-4.フトモモの前面の緊張

裸足でまっすぐに立っているとき、フトモモの筋肉にはあまり大きな力はかかってはいない。
ところがハイヒールを履くと重心が前に移動するので、バランスを採るためにヒザを曲げようとする。ヒザが少しでも曲がると、ヒザの前面の筋肉には大きな力がかかる。これはヒザの痛み(筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん)の原因になる。

2-5.背中やお尻の張り

重心が前に移動するため、上体を起こしてバランスを採ろうとする。そのため背骨の両側にある脊柱起立筋せきちゅうきりつきんや、骨盤を起こすお尻の筋肉が非常に緊張しやすくなり、ときには腰痛を起こすこともある。

2-6.首の緊張

上体が反ると、首が前に倒れることがあり、これによって首の周囲の筋肉が緊張する。

3.ハイヒールと外反母趾

外反母趾の原因には「3大原因」と言われるものがある。その3つとは女性、ハイヒール、遺伝である。
この中でもっとも影響の大きいものは遺伝であるが、ハイヒールも外反母趾を誘発することが分かっている。
ハイヒールを日常的に履き続けてもまったく外反母趾にならない人もいるが、遺伝的に外反母趾になりやすいと思われる人、つまり家族に外反母趾がいる人はできるだけ避けるのが無難である。

4.ハイヒールを履かなければいけない場合はどうするか

ハイヒールが良くないとは分かっていても、仕事によっては履かなければいけないこともある。とくにファッション関係の仕事をされている方で、ハイヒールの着用が決められている場合などは避けようがない。どうしたらいいか。

4-1.通勤のとき

まず通勤するときはハイヒールを袋に入れて持ち、ウォーキングシューズを履いて行こう。
職場内だけでハイヒールを履くのであれば、職場のロッカーに置いておく。

ウォーキングシューズ

ウォーキングシューズ

4-2.休日

休みの日には積極的に足底板を入れたウォーキングシューズで外出しよう。
リュックサックを背負い、両手に何も持たず、両腕をしっかり振って歩くようにしよう。
ファッションモデルの方々は普段はスニーカーやウォーキングシューズを履いていることが多いそうである。

4-3.仕事のとき

構造的に優れたハイヒールを選択することである。
ヒールの高さに関するマイナス面はどうすることもできないが、カカトが倒れない構造のものを選ぶ。カカトが倒れすぎると外反母趾になりやすい。選び方は「7.ハイヒールの選び方」を読んでほしい。

さらにカカトの倒れを防ぐために、ハイヒール用の足底板やインソールをハイヒールの中に入れておく。
オフィスの椅子に座って仕事をするときは、ハイヒールは脱いで、ローヒールのパンプスやスリッパに履き替えておこう。ただしスリッパでオフィスを歩きまわるのはよくない。

NWPLのハイヒール用足底板

NWPLのハイヒール用足底板

5.マッサージとストレッチ

自宅では緊張した筋肉を弛めるために、マッサージとストレッチを行なう。できれば入浴して血行を良くした状態で行なうのが良い。

5-1.フクラハギ

5-1-1.フクラハギのマッサージ

  1. まずイスに腰かける。
  2. 右のフクラハギを左の膝がしらの上に置く。
  3. 右のフクラハギを前後に動かして、左の膝がしらに押し付ける。
  4. 反対側も同様に行なう。
マッサージ

これは左フクラハギのマッサージです。

5-1-2.フクラハギのストレッチ

  1. まずイスに腰かける。
  2. タオルの両端を左右の手で握る。
  3. タオルの中央に右足の土踏まずを置く。
  4. 右ヒザを伸ばしながら、両手でタオルを手前に引っ張る。
  5. 反対側も同様に行なう

5-2.スネ

5-2-1.スネのマッサージ

  1. まずイスに腰かける。
  2. 左のカカトを右のスネに当てる。
  3. 左のカカトを前後に動かして、右のスネに押し付ける。
  4. 反対側も同様に行なう。
マッサージ

これは左スネのマッサージです。

5-2-2.スネのストレッチ

  1. まずイスに腰かける。
  2. 右の下腿(ヒザから下)を左のフトモモの上に載せる。
  3. 右の手のひらを右のフクラハギに当て、左の掌を右の足の甲に当てる。
  4. 右手で右のフクラハギを押しながら、左手で右の足の甲を手前に引っ張る。
  5. 反対側も同様に行なう。
  6. 正座ができる方は、正座そのものが両スネのストレッチになる。

5-3.フトモモの前面

5-3-1.フトモモの前面のマッサージ

  1. イスに腰かける。
  2. 右の前腕(手首と肘の間)を右のフトモモの上に置く。
  3. 右の前腕を前後に動かして、フトモモの前面に押し付ける。フトモモ前面の内側も中央も外側もほぐす。
  4. 反対側も同様に行う。

5-3-2.フトモモの前面のストレッチ

  1. 右を上にして横向きで寝る。
  2. 右手で右足の甲を掴み、右足を右のお尻に押し付ける。
  3. 反対側も同様に行なう。
  4. 正座ができる方は、正座そのものが両フトモモ前面のストレッチになる。

5-4.フトモモの後面

5-4-1.フトモモの後面のマッサージ

  1. ゴルフボールを1個準備する。
  2. 硬いイスに座り、イスとフトモモの間にゴルフボールを入れる。
  3. フトモモを前後に動かして、ゴルフボールをフトモモの後面に押し付ける。
  4. 反対側も同様に行なう。

5-4-2.フトモモの後面のストレッチ

  1. ベッド上に仰向けに寝る。
  2. タオルの両端を左右の手で握る。
  3. タオルの中央に右足の土踏まずを置く。
  4. 右ヒザを伸ばしながら、両手でタオルを手前に引っ張る。なるべく右下肢全体を頭の方向に引き上げる。
  5. 反対側も同様に行なう

5-5.腰

5-5-1.腰のマッサージ

  1. イスに腰かける。
  2. 両手で拳を作り、両腕を背中にまわす。
  3. 作った拳の指の付け根の出っ張った部分を背骨の両側の筋肉に当てる。
  4. 両方の拳を同時に上下、左右に動かして筋肉をほぐす。

5-5-2.腰のストレッチ

  1. イスに腰かける。
  2. 上体をできるだけ前に曲げる。胸がフトモモの前面に着くぐらいに曲げられるのが理想。
  3. さらに頭を前に倒す。
  4. 正座ができる人は床に正座して、上体を前に曲げ、両腕をなるべく伸ばす。額が床に着くのが理想であるが、着かなくても効果はある。

5-6.首

5-6-1.首の両側面のマッサージ

  1. イスに腰かける。
  2. 両手を組んで、両方の親指だけ離しておく。
  3. 両手を首の後ろ側に回し、両方の親指で首の両側の筋肉をほぐす。

5-6-2.首の両側面のストレッチ

  1. イスに腰かける。
  2. 左手を頭の上から右の側頭部まで回す。
  3. この状態で頭を左側に倒すと首の右側が伸ばされる。
  4. このとき、右肩が動いたらストレッチにはならないので、右手を背中に回し、右の手の甲を背中に着けておく。
  5. 反対側も同様に行なう

5-6-3.首の後面のマッサージ

  1. イスに腰かける。
  2. 両手を組んで、両方の親指だけ離しておく。
  3. 両手を首の後ろ側に回し、両方の親指で首の後面の筋肉をほぐす。

5-6-4.首の後面のストレッチ

  1. イスに腰かける。
  2. 両手を組んで、手のひらを後頭部に当てる。
  3. その状態で頭を前に倒す。

6.マッサージ用スティック

アマゾンではマッサージ用の便利な棒が何種類も売られている。

  • マッサージ・スティック
  • マッサージ・ローラー・スティック
  • マッサージ・ローリング・スティック
  • マッスル・ローラー・スティック

など、色々な名称がついているので、検索してほしい。これをひとつ持っていれば、上記のマッサージはすべて簡単に行なうことができるのである。

マッサージ用ローラー

マッサージ用ローラー

7.ハイヒールの選び方

ハイヒールのパンプスの選び方であるが、パンプスは可能であればヒール高が4~5センチまでにしておくのが無難である。しかしそれが無理な場合は、できるだけ自分のカカトがハイヒールの中で倒れない構造のものがよい。それには3つの条件がある。

7-1.しっかりしたヒールカウンター

ヒールカウンターとはカカトを包む部分のことである。ここが柔らかいとカカトが内側に倒れやすくなる。手の親指と人差し指でつまんで、ここがしっかりしたものを購入しよう。

ヒールカウンターの条件

ヒールカウンターの条件

7-2.型崩れしない構造

ハイヒールの前と後ろの部分を左右の手で掴んで、ハイヒールを捻ってみる。これが簡単に捻ることができるようならば、カカトが内側に倒れるのを止められない。捻ろうとしても捻ることができないものがよい。

捻じれに対する抵抗

捻じれに対する抵抗

7-3.指の付け根の曲がる部分の柔軟性

地面を蹴るときには足の指の付け根が反らなければならない。ハイヒールも、足の指の付け根に相当するところに柔軟性があることが不可欠である。そして靴底のそれ以外の部分は硬くてしっかりとしていることが要求される。

足指の反る部分に一致した柔軟性

足指の反る部分に一致した柔軟性

そして最後にストッキングも選ばなければならない。ストッキングやパンストはできるだけ足裏の部分の摩擦力の高いものが勧められる。最近は足裏に滑り止めの付いたストッキングやパンストも販売されているから、それを試してほしい(私は使ったことがないのでどの位の効果があるのかが分からない)。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

治療家も真っ青!超短期間で痛みを1/10にする方法

この記事は 2で読めます。

足や膝や腰のトラブルに関しては

さまざまな施術方法が存在します。

 

しかし欧米で研究が進んでいる「足病学」の理論に基づいた施術方法は

まだ一般的には知られていません。

 

私たちの身体の構造は多くは遺伝によって

両親から引き継いでいます。

足の構造も両親のどちらかから引き継いでいるのです。

 

足に異常な構造があると、それは足の異常な動きを生みだし、

さらにスネ、膝、フトモモ、骨盤、背骨に異常な動きを発生します。

 

その異常な動きは

シンスプリント、変形性膝関節症、変形性股関節症、坐骨神経痛、

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰痛、

頸の痛み、猫背、ストレートネックなど

さまざまなトラブルを引き起こすのです。

 

これらの疾患から来た痛みを改善するのには

まずは足の異常な構造を足底板(そくていばん)によって補正し、

足の正しい動きを作ってやらなければなりません。

 

そして身体の動きを正常に近づけた上で、

痛みを出している部分(ほとんどは筋肉です)の施術を行います。

 

欧米では足底板はごく一般的に使用されていますが、

日本ではあまり一般には知られていません。

 

あなたも足病学に基づく施術を受け、

一日も早く、身体のトラブルを改善させてください。


一日も早く身体の痛みを解消したい方はこちらへ

コメントを残す

*

CAPTCHA