外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

この記事は 9で読めます。

外反母趾になってしまい、歩くときに足の親指の付け根が痛い。
そこで外反母趾に良いとされる靴を買うのだが、痛みは取り除けない。
今では下駄箱が靴でいっぱいになってしまっている、という方も多いであろう。

これは靴の選び方が間違っているのだ。
外反母趾対策の靴とうたっていても、外反母趾には良くない靴はたくさんある。
むしろ良くないと思われる靴が多いのではないかと思われるほどだ。

ここではどういう靴を選んだらよいのかをその理由とともに説明しよう。
なお、ここではパンプス(ローヒール、ハイヒール)の選び方は述べない。
パンプスの選び方は改めて専門のページを作る予定である。

1.外反母趾の最大の原因はオーバープロネーション

1-1.外反母趾になりやすい体質とは

外反母趾の原因は遺伝、ハイヒール、女性の3つが主なものである。その中でも遺伝の影響は極めて大きいことが分かっている。

しかし生まれながらに外反母趾の人はほとんどいない。ということは外反母趾が直接に遺伝するのではなく、外反母趾になりやすい体質が遺伝すると考えられる。

では外反母趾になりやすい体質とはどういうものであろうか。
それは足の形である。

人はみんな顔が違うように、足の形も違う。
容貌が父母から遺伝されるように、足の形も両親から遺伝される。ただし容貌とは違って、足の形は父母のどちらか一方から遺伝されるらしい。

この足の形はいくつかのタイプに分けられていて、そのタイプごとに独特の動きをすることが分かっている。

1-2.外反母趾を起こす異常な動き

その動きの中にオーバープロネーション(overpronation)という異常な動きがある。
日本語では「過回内(かかいない)」と呼ばれているが、この動きが外反母趾を作るのである。
どのようなメカニズムで外反母趾が起こるのか。

たとえば足のタイプの中で、前足部の内側が上がっているタイプの足を考えてみると、
この足の裏全体が地面に着くためには、足全体が大きく内側に倒れなければいけない。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

足が内側に倒れるのは正常な足でも起こり、それはプロネーション(pronation)と呼ばれている。日本語では「回内(かいない)」である。

しかし足に変形、つまり捻じれやゆがみがあると、プロネーションの度合いが大きすぎて、オーバープロネーションという異常な動きになる。

1-3.外反母趾の発生

オーバープロネーションが起こると、親指の付け根にある第1中足骨(ちゅうそっこつ)は④~⑥のように大きく動く。

過回内と骨の異常な動き

過回内カカトが倒れるとその動きは足先の方に伝わる。

足の親指の骨(基節骨、きせつこつ)は地面に固定されているので、第1中足骨が⑥の方向に動くと、第1中足骨と基節骨の間でズレが起こる。これが外反母趾の始まりなのである。

外反母趾発生時の骨の動き1

外反母趾発生時の骨の動き1

2.痛みの出方は2つある

外反母趾の痛みの出方は大きく分けて2つある。
ひとつは強い圧迫によるもの、もうひとつは摩擦によるものである。

2-1.前足部の内側が上がっているタイプの足

これまでに述べたのは、前足部の内側が上がっているタイプの足である。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p8)

このタイプの足が外反母趾を発症した場合、親指の変形が大きくなり、
飛び出した親指の付け根の内側が靴で圧迫され、炎症を起こし痛みを発生する。

2-2.前足部の外側が上がっているタイプの足

ところが前足部の外側が上がっているタイプの足は痛みの出るメカニズムが違う。

前足部外反

足の前半分の外側が少しだけ上がっている足(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p3)

このタイプの足を持つとカカトが地面に着いたあとに、小指側よりも親指側が先に地面に着く。
それに続いて、脚は外側に倒れて小指の付け根が地面に着くのであるが、この動きは捻挫を起こしやすい、不安定な動きなのである。

そこでこの足はカカトが上がった後で、急に内側に倒れて安定な状態になろうとする。ここでオーバープロネーションが起こるのだ。

足の前半分の外側が上がった足は強い痛みを出すことがある。

オーバープロネーションが起こると、「2-1」と似たようなメカニズムで外反母趾が発生する。
このときに親指の付け根にある第1中足骨の先端が上図②のように回転する。

すると潤滑油の入った袋が靴に固定された皮膚と骨との間で摩擦を受けて炎症を起こすのである。
なおこのタイプの足に由来する外反母趾は、「2-1」のタイプほど変形はひどくはないが、痛みが激しいことが多い。

3.ストップ・ザ・オーバープロネーション

いずれのタイプの足も共通しているのはオーバープロネーションという異常な動きである。この異常な動きが外反母趾の原因となっている。これを止めなければ話にならない。

そういうと足の変形(捻じれやゆがみ)を治したらいいのではないかと言われるかもしれない。しかし残念ながらそれはできない。

あなたは顔を手術なしで変えられるであろうか。足も同じで、筋肉を鍛えても変えることは不可能なことなのである(子供の頃は多少の変化ならば期待できるが)。

だからどうしてもこの異常な動きを抑制するために、靴選びが欠かせないのである。

4.外反母趾に良い靴の3つの条件

外反母趾があればできるだけウォーキングシューズを履くようにするのが良い。
スポーツシューズ(ランニングシュースやサッカーシューズなど)、安全靴なども基本的にウォーキングシューズの選び方と同じである。この選び方には3つのポイントがあるので、それを説明しよう。

実際にシューズショップで靴を選ぶ際には、足の長さや周径を正確に測定してもらい、シューフィッターや靴の専門知識を持った方に、アドバイスをもらいながら選ぶことが大事である。

なおパンプスの選び方に関しては「ハイヒールのパンプスが女性に及ぼす6つの悪影響とその対策」の「7.ハイヒールの選び方」を参考にしてほしい。ただしリンク先の条件を満たすパンプスで、ヒールの高さが3~4センチのものを選んでほしい。ハイヒールはあまり勧めない。

4-1.ヒールカウンターがしっかりしていること

ヒールカウンターというのはカカトを被う部分である。この部分がしっかりとして硬い場合には、カカトが内側に倒れるのを防いでくれる。

カカトが内側に倒れるのが防げたら、足自体が内側に倒れるのも防げるのである。手の親指と人差し指でヒールカウンターを掴んで、硬いかどうかを確かめてみよう。

ヒールカウンター

ヒールカウンターがしっかりしている靴を選ぶ。

4-2.捻じったときに90度以上捻じれないこと

靴の両端を両手で掴んで、靴を捻じってみる。このときに柔らかい靴であると、かんたんに捻じれてしまう。外反母趾の人はそういう靴を買いやすいのであるが、足には逆効果だ。

捻じれない靴、つまり構造的にしっかりしている靴ほど、足が内側に倒れるのを防いでくれるのである。

靴の構造

簡単に捻じれる靴は避ける。構造がしっかりしていることが大事。

4-3.靴の反る位置が、足の指の反る位置に一致していること

つま先側からとカカト側から両手で靴をはさんで押したときに、足の指の付け根の部分に相当する部分で靴が反るようなものを選ぶ。

靴の真ん中で曲がったりするものは良くない。子供のズック靴の中には、靴の中央で反ってしまうものがあるが、骨格がまだでき上がっていない子供には特に良くない。

指の付け根に相当する部分は曲がり、その他の部分は完成していない子供の骨格を支えるために硬い構造のものが望まれる。

靴の反る位置

足の指の付け根に相当する部分で反ること。

5.足底板はぜったいに必要

外反母趾に良い靴の3条件を述べたが、これだけではまだ不十分である。

足の変形(捻じれやゆがみ)を補正するためには、さらに足底板(そくていばん)を使わなければならない。足底板とは医療用の中敷きである。この足底板が足の変形を補正し、足の動きを正しいものに近づけてくれる。

足底板を作るときには、体重をかけない状態で足型を採ることが大事である。足のタイプの中には、体重をかけると足がつぶれてしまい、足を正しく補正する足底板ができない場合があるからだ。

足底板の作製

体重をかけずに作る足底板

足底板については詳しいページを作って解説する予定である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA