
足の第2~4指の先端に胼胝(タコ)ができるのは、第2~4指が曲がっている人に多い。というか、第2~5指が曲がっているからそれらの先端にタコができるのです。足の指が曲がっている場合、それらの形に応じてハンマートゥ、クロウトゥ、マレットトゥと呼ばれています。ここでは第2~4指の先端にできたタコのメカニズムと取り除き方を説明します。
目次
1.第2~4(5)指の先端にタコができる理由
第2~4指の先端にタコができるのは、これらの指が曲がってしまい、その先端が靴の内側底面と摩擦を起こしたり、靴の内側底面からの圧力を受けたりするからです。タコは第5指(小指)の先端にできることもあります。
そして歩くたびにその部分に痛みを感じることも少なくないです。また立ったときに足の指は「浮き指」の状態になっていることが多いです。
⑨と⑪は同じようなメカニズムで起こるので、一緒に記載しておきました。⑪は足の第2~4指の指背にできたタコです。
2.第2~4(5)指の先端にタコができるメカニズム
これは浮き指のメカニズムとほとんど同じですが、第2~4指の先端にタコを作るに至らない浮き指もあります。
2-1.カカトが倒れる
足の形はいくつかのタイプに分けられますが、足の前半分の内側が上がったタイプの足を考えてみます。
この足が地面に着くときに、カカトを内側に大きく倒さないと足裏全体を地面に着けることができません。
足が内側に倒れるときに、足のタテアーチを守っている筋肉があります。足が内側に倒れ過ぎるとこの筋肉だけではなく、第2~5指を曲げる筋肉も強制的に働かされるようになります。
このときの足裏の状態を見ていただきましょう。左が正常な人で、右が足の前半分の内側が上がっている人です。
見て分かるように、後者(上図右)は足の内側が全体的に飛び出しているように変形しています。そしてそれだけではなくて、4本の指に行っている筋肉が、足の指を斜めに引っ張るようになっています。
足の指が斜めに引っ張られると、どうなるのでしょうか。その前に正常な足の筋肉の状態を見てみましょう。
足の小指の骨を見れば分かると思いますが、筋肉は関節の軸の下を通っていますので、この筋肉が働くと矢印のように骨は下に曲げられます。
次に足の指が内側に斜めに引っ張られるときの状態を見てみましょう。
足の指が斜め内側に引っ張られると、指は同時に外側にねじれるため、筋肉の骨に着いていた場所が元の位置よりも上がります。
同時に筋肉全体が関節の軸よりも上に移動しますので、筋肉が働くと骨は最初とは逆に上に曲げられるわけです。そしてハンマートゥなどの状態かつ浮き指になります。
浮き指になっても指先は下を向いているため、地面を蹴るときに指先に摩擦や圧力がかかり、タコができてしまうのです。もう少し詳しい解説は「足が内側に倒れ過ぎて浮き指になるメカニズムを詳しく説明」をお読みください。
2-2.アーチが高くなる
今度は足の前半分の外側が上がったタイプの足を考えてみます。このタイプの足はハイアーチになることがあります。
このときの筋肉の走り方を考えてみます。下図は左が正常な足で、右がハイアーチの足です。
詳しくは「高過ぎる足のアーチが原因で浮き指になる場合のメカニズム」で説明していますが、ハイアーチになると上図右のようにハンマートゥが作られます。この状態で歩くと、指先に摩擦や圧力がかかってタコが形成されるのです。
2-3.靴に圧迫される
自分の足の長さよりも小さい靴を履くと、前方から指が圧迫されて曲がってしまいます。その状態で歩くと、指先に摩擦や圧力がかかってタコが作られます。
自分の足の長さよりも大きい靴を履く場合や、長靴のように足の甲で固定できないものを履く場合、あるいはまたヒール高の高すぎるものを履く場合には、足が靴の中で前滑りし、前方で足の指が圧迫されて曲がってしまいます。そしてこの状態で歩くと、指先に摩擦や圧力がかかってタコが作られます。
3.第2~4(5)指の先端にできたタコの対策
3-1.靴選び
まず構造的に優れた靴を選びます。選び方は「外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント」に記載しておきました。このときに靴の長さや幅を間違わないように、シューフィッターの方と相談しながら選んでください。
パンプスの場合ヒール高が大き過ぎると、パンプスの中で足が前すべりし、指の先に摩擦力や圧力がかかるので注意が必要です。身長にもよりますが、ヒールの高さが3~5センチのものを選ぶのが良いです。
3-2.足底板やインソール
靴やパンプスの中に足のねじれやゆがみを補正する足底板やインソールを入れます。足底板はオーダーメイド品で、インソールは既製品です。
3-3.特殊なサンダル
家の中では足底板やインソールが使えませんので、アメリカの足病医が開発したサンダルの使用をお勧めします。