
第4指が第5指に圧迫されると、第4指の外側面の皮膚に鶏眼(ウオノメ)ができることがあります。これができると、ローヒールやハイヒールのパンプスのような先細の履物を履いたときに痛みが出ます。この痛みはパンプスを履かざるを得ないOLを悩まします。なぜこのようなウオノメができるのかを説明するとともに、対処方法を述べたいと思います。
1.足の第4指の外側面にできる鶏眼とは
第4指が第5指に圧迫されることによってできた鶏眼(ウオノメ)です。もう少し詳しく言うと第5指の基節骨が第4指の基節骨に相当する皮膚を圧迫することにより生じたものです。
一般的に隣り合った足の指の皮膚にできる鶏眼を趾間鶏眼と言いますが、第4指と第5指の間で最も頻繁に生じます。これらは先細のパンプスやハイヒールなどのような窮屈な靴を履くことによって痛みが強くなります。
図中の①~④は同じようなメカニズムで起こるので、まとめて記載しておきました。①は第2、第3、第4中足骨頭の足底面にできたタコ、②は親指の内側面にできたタコ、③は小指の付け根の外側面にできたタコです。
2.足の第4指の外側面にできる鶏眼の機序
まず足の前半分の内側が少し上がったタイプの足を持つ人を考えましょう。
この人が、カカトから着地した後に足の裏全体を地面に着けるためには、そのカカトを通常以上に大きく内側に倒さなければなりません。
このとき足は下図の右のように歪みます(左は正常な足です)。すると足の指を曲げる筋肉がまっすぐではなく、斜めに足の指を引っ張ります。その結果、外側に位置する指ほど内側を向くようになります。第5指は第4指の外側面を圧迫するようになり鶏眼(ウオノメ)を生じさせます。
次の図のように第5指の基節骨が第4指の基節骨(の皮膚)を圧迫します。
3.足の第4指の外側面にできる鶏眼の治療と対策
痛みがひどい場合は医師に診てもらいましょう。市販のタコ・ウオノメ用のパッドを貼ることによって痛みが和らぐこともあります。
3-1.靴の選択
根本的な対策としては、足の捻じれの影響が出ないようにすることで、そのためにはまずは適切な履物を選ぶことが重要です。
当院ではニューバランスのウォーキングシューズをお勧めしていますが、他のメーカーにも優れた構造のウォーキングシューズがありますので、できればシューフィッターの方の意見を聞きながら選ぶのがよいと思います。
仕事上パンプスを履かなければいけない方、あるいは冠婚葬祭でパンプスを使用する場合には、ヒールを3~5センチにして下さい。
靴の選び方は「外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント」を参考にしてください。
パンプスの選び方は「ハイヒールのパンプスが女性に及ぼす6つの悪影響とその対策」に書いておきました。
3-2.足底板やインソール
次に選んだ靴の中に足底板やインソールを入れて足の捻じれを補正します。足底板はオーダーメイド品で、インソールは既製品です。パンプスの中にもパンプス用のインソールを入れましょう。
原因が足の前半分(前足部)の捻じれではなく、後ろ半分(後足部)の捻じれである場合には、既製のインソールでもよいですが、前足部の捻じれがある場合には、足底板の方がコントロールが強いので、ウォーキングシューズには足底板を使ってください。
3-3.特殊なサンダル
自宅では下のような特殊なサンダルを履いておくのが、足の捻じれの影響を避けるためにはベストの方法です。もちろん自宅で足底板あるいはインソールを入れた靴を履いてもよいのですが、日本の住宅事情を考えると難しいかもしれません。家の中がすべてフローリングだという方で、家の中でもウォーキングシューズを履いている方が、当研究所の患者様にはいらっしゃいます。