足の親指の裏の痛みやシビレが起こるメカニズムとその対処法

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歩いていると足の親指から親指の付け根にかけて痛みやしびれが出ることがあります。しかも足の甲側ではなく足の裏側に出る場合はある筋肉が働かされ過ぎている可能性が強いのです。また時にはフクラハギにこむら返りのような症状を出すこともあります。この症状の発生メカニズムと治療法を説明します。

1.親指や親指の付け根の裏側の痛みの正体

歩いているときに親指や親指の付け根の裏側の痛みやしびれがでるのは、親指を曲げる作用を持つ筋肉が使われ過ぎて、筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを起こしている可能性が大きいです。この筋肉の名前は長母指屈筋ちょうぼしくっきんと言います。

またこの筋肉がけいれんを起こして、ふくらはぎに「こむらがえり」のような症状が起こることがあります。その痛みの範囲は下のリンク先に書かれています。

長母指屈筋の位置と痛みの出る場所

リンク先には第2~5指を曲げる長指屈筋ちょうしくっきんと、その痛みの範囲も書かれていますが、長母指屈筋ちょうぼしくっきんは親指の走っている筋肉です。なお「筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん」をお読みいただければ分かるように、腰で神経が圧迫されて足の親指に痛みやしびれが生じることはありません。

 

2.長母指屈筋の筋筋膜性疼痛症候群の発生メカニズム

この筋肉は足裏が地面に着いた状態から蹴り出しを行う時期に

  1. 内側に倒れた足を元のまっすぐの状態に戻し、
  2. ふくらはぎの下腿三頭筋かたいさんとうきんを助けて足を下に曲げ(つまりカカトを上げ)、
  3. 親指を曲げる

という作用を持ち、バランスをとって足を安定化させます。

ところが足が内側に倒れ過ぎた場合(この動きを「過回内かかいない」といいます)には、この筋肉が絶えず伸ばされるようになるので、筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいいとうつうしょうこうぐんを起こしやすい条件が出来上がってしまいます。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

またこの状態では本来親指の付け根にかかる体重が、第2、3指の付け根にかかるようになるので、親指が不安定になります。これを安定化させようとしてこの筋肉はますます働かされることになります。

デコボコの多い地形や左右に傾斜している地形、あるいは砂地などの不安定な土地を歩行したり走行したりすると、この筋肉が過剰に使用されて筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを起こすことがあります。さらに摩耗した靴や底の硬い靴を履いて走ったりスポーツを行うと、この筋肉が働かされ過ぎる傾向があります。

爪先のきつい靴を履くと親指の運動が妨げられるので、この筋肉が過剰に働かされて筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを引き起こすことがあります。

第2中足骨が長すぎる場合や第1中足骨が短かすぎる場合(「モートン足」といいます)にもこの筋肉に負担が掛かり過ぎるので、働かされ過ぎることがあります。

中足骨の長さ

第1中足骨が短かすぎる足(左)と 第2中足骨が長すぎる足(中)

 

3.長母指屈筋の筋筋膜性疼痛症候群の発生メカニズム(詳細)

ここでは足の捻じれから過回内かかいないが起こることによって、この筋肉に痛みが出るメカニズムを説明します。

親から遺伝される足の形は人によって違います。色々な形の足の中で、足の前半分の内側が少し上がったタイプの足を持つ人は、カカトが地面に着いたあとにカカトを内側に倒さないと、足の裏全体を地面に着けることができません。上に挙げた図をもう一度見ていただきましょう。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

この時、下図のように第1中足骨ちゅうそっこつ内側楔状骨ないそくけつじょうこつはいっしょになって3つの方向に動かされます。すなわち
④正常な場合以上に、前に対して後ろが押し下げられる。
⑤正常な場合以上に、その底面を内側に向けるように回転する。
⑥正常な場合以上に、第2中足骨ちゅうそっこつから離れるように内側に移動する。

過回内と長母指屈筋

この図の白い線は長母指屈筋ちょうぼしくっきんの走行ですが、地面に足が着くたびに右側の④の矢印のように足の縦アーチが低下しますので、この筋肉には慢性的にストレスがかかるようになります。

また下図のように、親指にある基節骨きせつこつが地面にしっかりと固定されている状態で、第1中足骨ちゅうそっこつが⑥の方向に大きく動くので2つの骨で構成される関節が亜脱臼を起こします。

外反母趾発生時の骨の動き1

親指の付け根の関節がずれる。

この関節が亜脱臼を起こすと、体重は親指の付け根にはかかりにくくなり、第2指と第3指の付け根にかかるようになって親指は不安定になります。これを安定化させようとして長母指屈筋ちょうぼしくっきんにはますますストレスがかかり、その結果として筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを起こしてしまうのです。

外反母趾発生時の骨の動き2

外反母趾の形成

 

4.長母指屈筋の筋筋膜性疼痛症候群の対策

4-1.靴と足底板

靴が小さすぎる場合は適切な大きさのものを選ばなければなりません。また過回内かかいないを起こしている場合はとくに構造的にしっかりとした靴を選択するべきです。プロ(シューフィッター)のアドバイスを受けながら購入するのがよいと思います。靴を選んだら、その中に足底板そくていばんを入れて足の捻じれの影響を最小限にして下さい。

足底板の挿入

完成した足底板をクツに装着する。

靴の選び方に関しては「外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント」をお読みください。
また足底板については「外反母趾の痛みを劇的に改善するクツの中敷き(インソール)」に詳しく書かれています。

仕事でパンプスを履かなければいけない場合もあると思います。その場合も信頼のおけるシューフィッターの方に指導してもらうのがよいと思います。ヒールの高さは3~5センチにしておいてください。そしてその中にパンプス用の足底板やインソールを入れるのがベストです。

インソール

パンプス用インソール

自宅では下の写真のような米国の足病医が開発した特殊なサンダルを履いておくのがよいでしょう。足に捻じれがあって過回内かかいないが起こりやすい方は、足だけではなくヒザや腰にもトラブルを起こしやすい傾向があるので、絶えずそれが起こらないように注意をしておくのが重要です。目の悪い方がいつもメガネを使うような感覚で、このような商品を絶えず身につけておくことが大切です。

特殊なサンダル

特殊なサンダル

 

4-2.マッサージとストレッチ

またこの筋肉の筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんに対する処置は専門家に依頼するのがよいですが、自分で行う場合は「長母指屈筋の位置と痛みの出る場所」に書かれている図の中の左側の「×」印の付近をよくマッサージして下さい。手でやりづらい場合は下の写真のように反対のヒザを使ってマッサージします。親指や親指の周辺をマッサージしても無意味です。

長母指屈筋のマッサージ

長母指屈筋のマッサージ

マッサージが終わったらこの筋肉のストレッチをしましょう。両手でタオルの端を掴んで、そのタオルを悪い方の足の親指に引っかけます。そして膝を伸ばした状態でタオルを引っ張ります。

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