開張足治療としてのテーピングの貼り方とインソールの使い方

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前足部(足の前半分)の幅が広くなった足のことを開張足といいます。横アーチが低下し(実際には第1、第5中足骨が持ち上げられ)、第2、3中足骨頭で体重を支えるようになりますので、第2、3指の付け根にタコ(胼胝)ができやすく、またこの部分に痛みが出ることもあります。この開張足を改善するのにはテーピングを使う方法、及びインソールや足底板を使う方法があります。

1.スキャナー画像で見る開張足

足の横アーチが低下して、足の横幅が広くなっている開張足かいちょうそくですが、この開張足をまずはスキャナー画像で見ていただきましょう。外反母趾や内反小趾を起こしやすい傾向があります。

開張足

 

2.開張足の原因となる足

開張足は5本の中足骨の間が均等に広がるのではなく、特に第1、第2中足骨ちゅうそっこつ間と第4、第5中足骨ちゅうそっこつ間が広がっています。

開張足

開張足は第1-2中足骨間と第4-5中足骨間が広がっている。

開張足はカカトが内側に倒れる過ぎること(過回内かかいないといいます)によって起こり、体重が重すぎる場合や足に合わない靴を履いている場合にはそれが増悪因子となります。

開張足は様々な足の構造異常から起こります。その構造異常には後足部内反こうそくぶないはん前足部内反ぜんそくぶないはん前足部外反ぜんそくぶがいはん内転足ないてんそくなどがあります。この中でも前足部内反ぜんそくぶないはんはとくにひどい開張足を起こすことがあります。

  1. 後足部内反こうそくぶないはん=カカトの骨が下腿部かたいぶに対して内側に曲がっている場合とO脚の場合があります。
  2. 前足部内反ぜんそくぶないはん=足の前半分の内側が少し上がっている足。
  3. 前足部外反ぜんそくぶがいはん=足の前半分の外側が少し上がっている足。
  4. 内転足ないてんそく=足の前半分が後ろ半分に対して内側に曲がっている足。
後足部内反変形

後足部内反の足(Pod Mech vol. 2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p2-3)

 

前足部内反と前足部外反

前足部内反の足(左)と前足部外反の足(右)(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p8, 11)

 

内転足

内転足(左)と正常な足(Pod Mech vol. 2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p16)

なおこれらのタイプの足のすべてが開張足を起こす訳ではありません。この中でも距骨下関節きょこつかかんせつの動く範囲が広くて、過回内が起こりやすいものに限られます。

距骨下関節

距骨(黄色)と踵骨(緑色)の2つの骨で構成されている距骨下関節

 

3.開張足の発生メカニズム

ここでは足の前半分の内側が少し上がっている足(前足部内反ぜんそくぶないはん)を例に挙げて開張足の発生メカニズムを説明したいと思います。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p8)

このような足の変形は下の写真のように、ベッドから足首から先を出してもらい、うつ伏せで寝てもらうと良く分かります。

足のねじれの見方

こうやって足の変形(ねじれ・ゆがみ)を見ます。

下図は前足部内反ぜんそくぶないはんを持つ足の足裏が地面に着いたときの状態ですが、カカトが大きく内側に倒れていることが分かります。この動きを過回内かかいない(英語ではオーバープロネーション)と呼びます。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

まず足の外側の小指の付け根の骨(第5中足骨ちゅうそっこつ)の先端が地面に着いたときに、正常な足よりも地面から大きな衝撃を受け、第5中足骨は3方向に大きく動かされます。すなわち

①.正常な場合と比べて、先端が後端よりも相対的にさらに上がってしまう(つまり後端が先端よりも相対的にさらに下がってしまう)。
②.正常な場合と比べて、床側の面がさらに外側を向く。
③.正常な場合と比べて、第4中足骨ちゅうそっこつからさらに離れる方向(外側)に動く。
という動きをします。

過回内と第5中足骨の動き

過回内と第5中足骨の動き

次に足の内側の第1指の付け根の骨(第1中足骨ちゅうそっこつ)の先端が地面に着くのですが、このときもやはり正常な足よりも地面から大きな衝撃を受け、第1列(第1中足骨ちゅうそっこつ内側楔状骨ないそくけつじょうこつ)は3方向に大きく動かされます。つまり

④.正常な場合と比べて、先端が後端よりも相対的にさらに上がってしまう(つまり後端が先端よりも相対的にさらに下がってしまう)。
⑤.正常な場合と比べて、床側の面がさらに内側を向く。
⑥.正常な場合と比べて、第2中足骨ちゅうそっこつからさらに離れる方向(内側)に動く。
という動きをします。

過回内と骨の異常な動き

過回内と第1中足骨の動き

第5指の基節骨きせつこつと第1指の基節骨きせつこつは筋肉によって地面に固定されていますので、③と⑥の動きによって第4、第5中足骨ちゅうそっこつ間と第1、第2中足骨ちゅうそっこつ間が広げられます(開張足)。同時に内反小趾や外反母趾が生じます。

開張足の発生

開張足の発生

4.開張足の治し方(改善方法)

4-1.靴の選び方

上述した足の異常な動きを抑えるためには、まずは構造のすぐれた靴を購入することです。靴を選ぶときには信頼のおけるシューフィッターの方にアドバイスをもらって下さい。

仕事上、パンプスを履かなければいけない方もシューフィッターの方と話し合って選ぶのがよいと思います。その際にヒール高は3~5センチにしておいて下さい。

靴やパンプスの選び方の基準は下記のリンク先に書いてあります。
外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント
ハイヒールのパンプスが女性に及ぼす6つの悪影響とその対策

ウォーキングシューズ

ニューバランスのウォーキングシューズ

4-2.足底板とインソール

靴を選んだらその中にインソールや足底板そくていばんを入れましょう。これらが足の異常な動きを最小限にしてくれます。

足底板

足底板(オーダーメイド)

 

インソール

インソール(既製品)

 

インソール

パンプス用インソール(既製品)

前足部の内側が上がったり(前足部内反ぜんそくぶないはん)、外側が上がったり(前足部外反ぜんそくぶがいはん)しているタイプの足の場合、さらに前足部が後足部に対して内側に曲がっているタイプの足(内転足ないてんそく)の場合は足底板の方がよいです。

また前足部に異常がない場合(後足部内反こうそくぶないはん)はインソールでもよいと思います。インソールは既製品で、足底板はオーダーメイドの商品です。

足底板を入れたら、その場で歩行時の痛みがなくなる方もたくさんいらっしゃいます。

4-3.テーピング

開張足に対するテーピングはアマチュア用とプロフェッショナル用があります。プロフェッショナル用は自分では貼れませんので、直接治療家に貼ってもらわなければなりません。アマチュア用はプロも使いますが、患者様が自分で貼ることができるテーピングです。

4-3-1.アマチュア用テーピング

これは「痛みのある外反母趾に効果的なテーピングを行う超簡単な方法」に書かれている「2.テーピングの上に包帯を巻く方法」を実行していただければよいです。

4-3-2、プロフェッショナル用テーピング

こちらは「外反母趾のテーピングは悪い歩き方をこれだけ変えてしまう!」の中の「3.距骨下関節の過回内を防止するテーピング」です。

じっと立っている時に足のアーチを支えているのは足の骨と靭帯という硬いスジです。支えるのに筋肉は加わってはいません。このことは「2種類の筋肉群は足の3大アーチをどのように支えているのか」で書きました。

ですから筋肉を鍛えても開張足に対しては効果はありません。またアマチュア用にしろ、プロフェッショナル用にしろ、本来テーピングは一時的に使うものですから、これを継続するのはかなりの困難が伴います。したがってテーピングは痛みが強いときに使い、それ以外のときは足底板を使うのがよいです。

5.開張足と歩き方

「3.開張足の発生メカニズム」で述べたように、開張足になると足全体が大きく内側に倒れる傾向があります。

地面を蹴るときには内側に倒れた足は真直ぐの状態に戻らないといけないのですが、内側に倒れ過ぎると真直ぐの状態には戻りません。

すると内側に倒れたままで地面を蹴ることになります。内側に倒れた足は柔らかい状態ですので、しっかりと地面を蹴ることができません。結局はペタペタとした歩き方になってしまいます。

ペタペタと歩くのは開張足の結果です。もっと正確に言うと足の捻じれ・ゆがみの結果です。けっしてペタペタ歩いたから開張足になったわけではありません。

しっかりと親指に体重をかけて歩いたら開張足が改善されるのでしょうか。たぶん開張足が悪化したり、親指の付け根に痛みが出たりする可能性が大きいです。

早急に構造のしっかりした靴に足底板を入れることをお勧めします。その上でしっかりと歩いてください。

このことについてもっと詳しくお知りになりたい場合は「外反母趾の人が正しい歩き方ができない唯一の理由とは何か?」をお読みください。

 

 

 

 

 

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