
夜ふとんに入って、仰向けに寝ると腰が痛む。でも両ヒザを立てると痛みがましになる。両ヒザを立てるのは寝づらいので、横向きで少しからだを丸めて寝ると楽になる。
このような症状の人はけっこう多いと思います。こういう症状を持った人の多くが、「反り腰」になっています。そして背骨の両側の筋肉が硬くなっていることが多いです。
どういうわけでこのような症状が出るのか、そしていかなることを行えば改善するのかを述べてみます。(メルマガ2016年1月30日号)
1.反り腰発生のメカニズム
じつは反り腰は足の捻じれと大きな関係があるのです。
うつ伏せになってもらって足裏の捻じれ・ゆがみを観察すると
足の前半分の内側が上がっている人がよくいます。
足の前半分の内側が上がっている人は
足裏全体が地面に着いたときにカカトが内側に倒れます(例外もあります)。
するとスネやフトモモは内側に回転します。
スネやフトモモが内側に回転すると骨盤が前に倒れます。
骨盤が前に倒れると背骨も前に倒れるのですが、
からだを常に前に倒した状態で生活することはできないので、
背中を反らして上体を起こします。
結果として反り腰になる訳です。
このとき背中を反らすために、
背骨の両側にある筋肉が通常以上に働かされます。
働かされ過ぎた筋肉は疲労して硬くなります。
仰向けに寝るとその筋肉がゆるんで痛みが出やすくなります。
両ヒザを立てると背骨の両側の筋肉は伸ばされるため、
痛みが出にくくなります。
フクラハギが痙攣したときには
足にタオルを引っ掛けて足首を反らせると
フクラハギの筋肉の痙攣及び痛みが収まることでも分かるように
筋肉に痛みが出ているときには伸ばしてやればいいのです。
では実際には反り腰に対して、何をすればよいのでしょうか。
2.反り腰の対策1(靴と足底板)
まずはカカトが倒れることを防ぐことです。
そのためには足の捻じれの影響をなくさなければいけません。
構造的に優れたクツを買ってきましょう。
ミズノ、アシックス、ニューバランスなどでウォーキングシューズを選びます。
12000円以上出せば、よい構造のクツが購入できます。
ビジネスシューズを履かなければいけない人は
シューフィッターにアドバイスをもらいながら選んで下さい。
パンプスの場合はヒールが3~5センチのものにして下さい。
ヒールが高いとますます反り腰になります。
シューズを選んだらその中に足底板を入れます。
足底板によって足の捻じれを補正するのです。
以上のことを実行するだけで、反り腰にならないことが多いです。
3、反り腰の対策2(マッサージとストレッチ)
次に背骨の両側の筋肉をマッサージなどで弛めます。
自分ではやりにくいので、専門家に任せるのが良いでしょう。
さらにストレッチを行います。
正座をしてからだを前に倒し、額を床に着けます。
額が床まで届かない場合はマクラや布団を重ねて
その上に額を置いて下さい。
両腕はまっすぐ前に伸ばして、手のひらを床に着けます。
この状態で10分間ほどじっとしておきます。
つらいと感じたら、最初は時間を短めにして、
徐々に長くして行って下さい。
ヒザが悪くて正座ができない人はイスに腰をかけて
イスと同じくらいの高さのテーブルに額を着けると良いです。
両腕はしっかりと伸ばして、手のひらをテーブルに着けて下さい。
お風呂に入ってからだをリラックスさせ、
筋肉が柔らかくなってからストレッチをすると効果的です。