脊柱管狭窄症の痛みがほぼ消え、手術が中止になった患者さん

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最近よく腰痛の患者様が来院されます。ギックリ腰の方をはじめとし、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、腰椎すべり症・分離症、脊柱管狭窄症などの病名を病院でつけられています。今回はその中で脊柱管狭窄症を取り上げてみたいと思います。この病名を聞くと、手術が中止になったある患者様が思い出されます。(メルマガ2016年2月20日号)

1.3か月後に決まっていた手術が中止に

今まで何人かの方が「脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょう」と病院で診断され、
その痛みが取り除けないかということで来院されました。

その中でも印象的なのが昨年9月初旬にいらっしゃった方です。
60代の男性の方で、5~6年前から腰が痛く、また下肢がだるい。
さらに足首から下のシビレ感もあるとのことでした。

そして3か月後の12月に手術も予定されているとのこと。
それまでに少しでも楽になればということで来院されました。

結果はどうなったかというと、手術は中止となりました。
痛みやシビレがほとんどなくなったからです。

いったい何を行ったかというと
まずはニューバランスのクツをシューフィッターに選んでもらい、
その中に当院で作成した足底板を入れました。
さらに骨盤から胸にかけてサラシをしっかりと巻いていただきました。

当院においては背中の筋肉をほぐし、その後でストレッチを行う。
自宅では入浴後に背中のストレッチをしていただく。
以上です。

ご本人も最初は半信半疑だったようですが、
だんだん痛みが薄らいできて、
1か月もすると積極的に行なって下さるようになりました。

翌年(つまり今年=2016年)の1月には同じ症状で悩んでいらっしゃる知人のために
サラシを1セットご購入くださったのです。
なぜこれだけのことで脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうからきた痛みが消えたのでしょうか。

 

2.脊柱管狭窄症とはどういう疾患か

一般的に腰痛の場合には、内臓から来たもの以外は
構造的にすぐれたクツ、足底板、サラシを使えばだいたい取り除くことができます。
脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうからくるとされる腰痛も同じです。

まず脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうという病気がどんなものかを考えましょう。
これは脊柱管せきちゅうかんという脊髄せきずいが通るくだが狭くなって
脊髄せきずい神経根しんけいこん末梢神経まっしょうしんけいの根元)が圧迫される病気です。

つまり痛みは神経の根元が圧迫されて出ているということになっています。
しかし、これは本当でしょうか。
神経が圧迫されて痛みが出るのでしょうか。

私たちの身体の中には至るところに神経が張りめぐらされています。
もちろん足の裏にもです。
足の裏は飛んだり、跳ねたりするときに絶えず大きな圧力がかかっています。
しかしそれで神経が圧迫されて痛みを感じることはありません。

このことはトリガーポイントの研究で有名な整形外科医の
加茂淳先生もホームページで述べられています。

加茂先生のホームページには

「椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄が痛みやしびれの原因となることは
 ありません。痛みやしびれは神経症状ではありません。」
「神経がヘルニアや脊柱管狭窄などで圧迫を
 受けても痛みやしびれが出ることはありません。」

と書かれています。

なぜかという理由については、
加茂先生がホームページで詳しく説明されています。

 

3.疼痛はどこから来るのか

ではなぜ痛みが出るのか。
それは筋肉に異常があるからなのです。

背中やお尻にある筋肉が使われ過ぎて硬くなり
「筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい・とうつう・しょうこうぐん)」
を起こすと痛みが出てくるのです。

ではなぜ使われ過ぎるのか。
腰痛の患者さんは骨盤が前に倒れて反り腰になっている人が多いです。
反り腰になると通常以上に背中の筋肉を使わないと
上体を起こすことができません。

また通常以上に骨盤の筋肉を使わないと
骨盤、ひいては上体を起こすことができません。
ですから背中やお尻の筋肉が使われ過ぎるのです。

 

4.疼痛発生のメカニズム

もう少し分かりやすく説明します。
足にねじれやゆがみがあると
着地したときに足そのものが内側に大きく倒れやすいのです。

前足部内反

足の前半分の内側が少しだけ上がっている足

 

足のねじれの見方

こうやって足の変形(ねじれ・ゆがみ)を見ます。

 

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

足が内側に倒れると、スネやフトモモは内側に回転します。

大腿と下腿の内旋

カカトが内側に倒れると、スネやフトモモが内側に回転する。(SUPERfeet Training
Program Tech 3. 株式会社インパクトトレーディング, 2004, p8)(一部改変)

フトモモが内側に回転すると骨盤は前に倒れるのです。

骨盤の前傾


スネやフトモモが内側に回転→骨盤が前に倒れる→腰椎前彎(ぜんわん)増加=反り腰(カパンディ関節生理学Ⅲ.体幹・脊柱医歯薬出版株式会社,1997,p105)(一部改変)

このように反り腰になると、背骨を支える筋肉に大きな力が働くのです。
そして骨盤を起こすお尻の筋肉にもストレスがかかります。

この状態でさらに大きな力が背中やお尻にかかると
その筋肉は損傷を起こしやすくなります。
そして痛みが発生しやすくなります。

このときレントゲン写真を撮ってもらって
脊柱管せきちゅうかんがたまたま狭くなっていたら、「脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょう
腰椎がたまたま分離していたら、「腰椎分離症ようついぶんりしょう
腰椎がたまたま滑っていたら、「腰椎すべり症」
椎間板ヘルニアがたまたま見つかったならば、「腰椎椎間板ようついついかんばんヘルニア」
という病名が付けられるということなのでしょう。

 

5.痛みに対して行うこと

まずは骨盤がなるべく前に倒れないように
構造的にすぐれたクツに足底板を入れます。
足底板については「外反母趾の痛みを劇的に改善するクツの中敷き(インソール)」をお読みください。

足底板

足底板

さらに骨盤を前に倒さないようにサラシで固定します。
固定は胸の付近まで行います。

サラシで固定することによって骨盤を起こすだけではなく、
痛みを出している背中や骨盤の筋肉が使われ過ぎないようになります。

しかしこれらの筋肉を完全に動かなくしているのではありません。
痛みが出ない範囲で、適度に動くようにしているのです。

このような処置をした上で
背中やお尻の筋肉をマッサージや整体でゆるめ、
さらにストレッチを行うと、痛みはだんだんなくなってきます。

ストレッチをすると硬くなった筋肉がほぐれてきて楽になります。
脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうの人が歩いている途中で痛みが出て歩けなくなり、
前かがみの状態で休むと再び歩けるようになるのは、
筋筋膜性疼痛症候群きんきんまくせいとうつうしょうこうぐんを起こして硬くなった筋肉がストレッチでゆるむからでしょう。

脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうのときに出た腰痛に限らず、
腰椎椎間板ようついついかんばんヘルニアや脊椎せきついすべり症・分離症、
さらには一般的に筋肉そのものに由来する腰痛はこの方法で取り除けます。

但し、内臓からくる腰痛もあるので、
病院できちんと診断してもらうことが必要です。

また脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうで排尿障害などの症状がある場合は
医師にしっかりとした指導・指示をしてもらうことが必要です。
排尿障害は脊柱管狭窄せきちゅうかんきょうさくによる麻痺が原因である可能性があるからです。

 

6.最後に

最近、腰痛の患者さんがけっこう多いです。
痛みがなかなか取り除けないとか、
昔の痛みがぶり返してきたとかの相談がよくきます。

腰が痛いのだから腰だけ施術してもらえばよい
と思っている方が非常に多いのですが、

今日書いたことを読んでいただければ、
そうではないことが分かっていただけると思います。

人間の身体を支えるのは足です。
その土台である足に異常があれば、
その上に載っている部分に異常が伝わることは少なくはありません。

腰だけではなく、ヒザや背中や首、
さらにはヒジや手首に異常が出ることもあります。

現在受けている施術で、もし満足が行くような結果が出ていない方は
一度クツを選び直し、
その中に足病学の理論に基づいた足底板を入れてみてはどうかと思います。
クツの選び方は「外反母趾の人生をバラ色にするシューズ選びの3つのポイント」をご覧になってください。

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