歩く時に足の甲から親指にかけて痛みが出るのはどこが悪いか

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足の甲から親指にかけての痛みで来院される方がいらっしゃいました。とくに骨折や捻挫をしているわけではありません。これはそんなに改善の難しい症状ではありません。ただ患者様自身が「足の甲が悪いから足の甲が痛いのだ」と思っている場合がとても多く、またご本人だけではなくて、施術家までがそう思っていることが多いため、適切な施術が受けられなかったのがほとんどです。解説しましょう。(メルマガ2016年2月27日号)

1.足の甲から親指にかけての痛み

1-1.親指が痛いのはどういう場合が考えられるのか

親指が痛いというとすぐに思い浮かぶのが、外反母趾の痛みです。
親指の付け根の内側が、クツで擦れて痛みが出ます。

もう少し正確に言うと、「クツで固定された皮膚」と「親指の付け根の骨」との間で、
そこにある潤滑油の入った袋が摩擦されて痛みが出るのですが。

また親指の痛みというと、別のタイプの痛みもあります。
それは強剛母趾きょうごうぼしと言って、
親指の付け根の関節が動きにくくなって痛みが出るものです。
歩いていて親指を反らしたときに痛むのが特徴です。

また痛風という病気でも親指の付け根に痛みが出ることがあります。
血液中の尿酸値が高くなった病気で、痛みはかなり激しいのが特徴です。

 

1-2.前脛骨筋の筋筋膜性疼痛症候群

しかし今回取り上げる「親指の痛み」というのは
親指の付け根ではなく、親指全体が痛む場合です。
とくに足の甲から親指にかけて痛い場合です。

この痛みの原因は何かというと、ほとんどスネの筋肉から来ています。
スネには前脛骨筋ぜんけいこつきんという名前の筋肉があります。
これは足首を反らす働きをする筋肉ですが、
歩行中、足の裏が地面に着くときに、
足にブレーキをかけながらなめらかに着地させる働きもあります。

この筋肉が使われ過ぎると下図のようなパターンの痛みを出します。
前脛骨筋のトリガーポイント図

これまでのメルマガでも説明したことがありますが、
足(足首から先)の捻じれがあると、この筋肉に負担がかかることがとても多いのです。

そしてこれが使われ過ぎると、
「筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい・とうつう・しょうこうぐん)」
を起こして上記のような痛みを出します。

 

1-3.足の甲から親指にかけての痛みをなくす方法

まずは反対の足のカカトを、スネにあるこの筋肉に当てます。
そしてカカトを動かしてこの筋肉をマッサージします。

スネのマッサージ

マッサージが終わったらストレッチをします。
正座できる方は正座そのものが、この筋肉のストレッチになります。
正座できない人は左右の手で、それぞれ足の甲とフクラハギをつかんで
足首を下に曲げると良いです。

スネのストレッチ

スネのストレッチ(正座)

 

スネのストレッチ

スネのストレッチ

 

4.足の甲から親指にかけての痛みの再発防止策

これだけで痛みが取れる方も多いですが、
一旦痛みがなくなっても再び出てくる場合もあります。

この痛みが再発しないようにするためには、
まずは構造が良くて、足の大きさに合ったサイズのクツを購入します。

ウォーキングシューズ

ウォーキングシューズ

その中に足底板を入れて、足のゆがみを補正します。
これが非常に大事です。

足底板の作製

体重をかけずに作る足底板

マッサージとストレッチ、そしてすぐれたクツと足底板。
この2組が車の両輪のようにそろえば、改善はとても早くなります。
いちどお試しを。

 

2.土台をしっかりさせることが大事

ヒザが痛いからヒザの治療を受ける。
首が痛いから首の治療をしてもらう。
当たり前のことですが、それだけでは十分ではないことがよくあります。

足底板

足底板

昔、インドを旅行した知人が興味深い話をしてくれました。
インド旅行中にあるレストランに入って食事をしていた友人は
うっかりビール瓶をテーブルの上で倒したらしいのです。
当然ビールはテーブルに広がり、さらにテーブルから床に落ちます。

すると従業員が複数やってきてこぼれたビールをふき取り始めました。
しかし驚いたのはテーブルを拭く従業員と床を拭く従業員が違っていて、
テーブルからどんどんビールがこぼれているのに、
それを気にしないかのように床を拭いている従業員がいたとのことです。

あとでその知人が添乗員か誰かに聞いてみると
テーブルをきれいにする係と床の清掃係は身分が違うというのです。
ですから床を拭いている人はテーブルを拭けないので、
次々とビールがこぼれて来ようが、
ひたすら床を拭いている状態なのだそうです。

これはカースト制度が厳しいことによるものなのでしょう。
日本ではとても考えられないことです。
日本ならばまずテーブルの上をきれいにする。
そしてそれが終わったならば床のビールをふき取るというふうにすると思います。

足底板

皮革を貼り付けた足底板。

何が言いたいかというと、
身体からだの痛みを取り除くのも同じだということです。
どこかに原因があったならば、
まずは原因になっているところを対処することが非常に重要なのです。

たとえばヒザが痛かったとしましょう。
当院などにヒザ痛で来られる場合、ほとんどその痛みはヒザ周辺の筋肉から来ています。
それらの筋肉が使われ過ぎて、痛みを出している場合がほとんどなのです。

でもこれらの筋肉が使われ過ぎるのは、
ヒザの動きがおかしいことに原因があることが多いのですが、
ではそのヒザの異常な動きの原因は何かというと、
足(足首から先)の動きがおかしい場合がほとんどです。

それではなぜ足の動きが異常になるかというと、
足の構造に異常があることが多いのです。
足に捻じれやゆがみがあるのです。

足底板

足底板(オーダーメイド)

ですからきちんとした構造のクツを履いていただき、
その中に足の捻じれを補正する「足底板そくていばん」を入れると、
足の異常な動きが抑えられ、それとともにヒザの動きも正常に近づくので、
ヒザの周囲の筋肉の異常な動きも抑制されるのです。

その上でヒザ周囲の筋肉の調整をすると、
ヒザの痛みの改善も早くなります。

ところが足の異常な動きを無視してヒザへの施術を行なっても
なかなか改善しません。
少し良くなったかなと思っても、
ふたたび元の痛みが出てしまうことも多々あるのです。

このようなことはヒザの痛みだけで見られるのではありません。
股関節、腰、背中、首の痛みの場合はもちろん、、
肘や手首の痛みでさえも当てはまることがあるのです。

ですから原因が足の異常な動きにある場合(とても多い)には
まずその異常な動きを抑えることが大事なのです。

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