
浮き指は足全体が内側に倒れ過ぎることが原因であり、この浮き指を改善するには足底板の使用が不可欠である話を前回のメルマガでしました。今回はその足底板についてもう一度お話し、さらにもう一つの浮き指の原因である、足首を反らす筋肉の疲労について詳しく述べたいと思います。(メルマガ2016年3月26日号)
1.浮き指には足底板を
前回のメールマガジンで、浮き指を治すために筋肉を鍛えても意味がないことをお伝えしました。
いや、まったく意味がない訳ではありませんが、
その前にやっておかなければいけないことがあるのです。
それは足底板を使うことです。
足底板を使って足が内側に倒れることを防ぐ必要があります。
足が内側に倒れると、足が歪んでしまい、
それとともに第4~5指が捻じれてしまいます。
指が捻じれると、本来指を下に曲げる筋肉が
逆に指を上に曲げてしまうので,、指が浮いてしまいます。

本来は小指を曲げる作用を持つ筋肉はその作用を逆転する。
足底板を使うと足が内側に倒れにくくなりますので、
指が捻じれにくくなります。
この状態でしっかり歩くのです。
もちろん、足底板を入れる靴も構造的にしっかりしたものでなくてはいけません。
アシックス、ニューバランス、ミズノ等のウォーキングシューズを購入して
それに足底板を入れて下さい。
そしてしっかりと歩きましょう。
足底板は足病学の理論に基づいて作られたものにして下さい。

体重をかけずに作る、足病学の理論に基づいた足底板
2.浮き指の第二の原因
2-1.足首を反らす筋肉が弱ると浮き指になる
浮き指になるにはいくつかの原因があります。
第一の原因は足が倒れて第4~5指が捻じれることでした。
第二の原因は足首を反らす筋肉が弱ったときです。
スネには足首を反らす前脛骨筋という筋肉があります。
激しい運動をしたり、でこぼこ道を歩いたりしてこの筋肉が疲労し、
その疲労が蓄積されると、この筋肉が硬くなり弱ってしまいます。
この状態が元に戻ればよいのですが、この状態が続いたり、
あるいは怪我でこの筋肉がダメージを受けると、
この筋肉の足首を反らす作用が低下します。
よくつまずく人はこの筋肉が弱っていることが多いです。
足首が反りにくいのでつまずくのです。
するともう一つの筋肉が足首を反らせようとします。
この別の筋肉もスネから始まっているのですが、
どこまで行っているかと言うと、第2~5指に行っているのです。
そうです。この筋肉は足の第2~5指を上げる筋肉です。
長指伸筋という名前がついているのですが、
指を上げると同時に足首を反らす働きも持っています。
前脛骨筋が硬くなると、この長指伸筋に今度は負担がかかります。
この状態が続くとはこの長指伸筋が硬くなります。
それとともに第2-5指が絶えず引っ張られて浮いてしまうのです。
2-2.筋肉を鍛えてはいけない
この2つの筋肉が弱っているからと言って鍛えてはいけません。
使われ過ぎて弱っている筋肉を鍛えると逆効果です。
ではどうするか?
まずはこれらの筋肉をしっかりマッサージしてほぐして下さい。
マッサージが終わったらストレッチをします。
正座すればこれらの筋肉がストレッチされます。
正座できない人は手で足首を下に曲げればいいです。

スネのストレッチ(正座)

スネのストレッチ
次回はこのスネの筋肉のマッサージの仕方を説明します。
そして浮き指の第三の原因もお話ししましょう。
2-3.足底板と筋肉の治療は車の両輪
足底板は色々なトラブルを解決するために役に立ちます。
しかし足底板だけですべてが解決されるとは限りません。
足の異常な動きによって、いろいろな筋肉に負担がかかり、
その筋肉から痛みが出ていることはよくあります。
そういう状態の時には足底板は必須ですが、
足底板を使ったからと言って、筋肉の痛みがすぐになくなるとは限らないのです。
筋肉が痛みを出している時には、筋肉は硬くなっています。
それをマッサージや鍼などでほぐすことが必要となります。
そしてストレッチも。
逆にその筋肉をほぐしてストレッチするだけでもダメです。
足の異常な動きがそのままでしたら、なかなか筋肉が元に戻らないし、
戻ってもふたたび同じ状態になることが多いからです。
足底板と筋肉に対する施術は車の両輪のようなもので、
どちらが欠けても十分な結果を出すことができません。
どこかで足底板を作ってもらったら、
必ず筋肉の調整もしてもらって下さい。
足底板については「外反母趾の痛みを劇的に改善するクツの中敷き(インソール)」をお読みください。