足の指の付け根の痛み/ランニング時の足の甲の痛みの治療法

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私たちは身体のどこかに痛みを感じると、その部分が悪いのかと思ってしまいます。しかし実際には痛みのある場所とはまったく違うところに原因のあることもしばしばあります。有名なところでは、心筋梗塞で左の腕が痛む場合があります。こういう痛みを関連痛と言います。
内臓ではなく、骨格を作っている筋肉も関連痛を出すことが知られるようになりました。筋肉が使われ過ぎて損傷すると、トリガーポイントというものができて痛みを出すのですが、そのトリガーポイント周辺ではなく、遠く離れた場所に痛みを出すことがあるのです。今回はそういう痛みを持った患者様の症例です。(メルマガ2016年6月25日号)

1.足の指の付け根の痛み[症例6]

1-1.症状

46歳の女性の方で、歩いている時に
足の指の付け根に痛みが出るという方がいらっしゃいました。
左右ともに出ますが、右足の方が痛みが強いとのことです。

ご本人はネットで見つけた「中足骨骨頭部痛ちゅうそっこつこっとうぶつう
ではないかとおっしゃっています。

たしかに中足骨の先端が痛いので間違いはないのですが、
その部分を手の親指で押してもあまり痛みがないのです。

ところが土踏まずのある部分を押すと
足の指の付け根に痛みを感じます。
これはどういうことでしょうか。

ふつうは痛みを感じるところが悪いのではないかと思ってしまいますが、
そうではなくて、痛みを感じる場所とは違う場所が
痛みの原因であることがあるのです。

下記のリンク先を見ていただきましょう。

短指屈筋と小指内転筋のトリガーポイント図

この図には2つの筋肉が書かれています。
ひとつは第2~5指を曲げる「短指屈筋たんしくっきん」で、足裏のほぼ中央部に描かれています。
もうひとつは第5指だけを曲げる「小指内転筋しょうしないてんきん」で、小指側に描かれています。

そしてこれらの筋肉にできるトリガーポイントの位置が「X印」で書かれ、
そこから来た痛みを感じる場所が「赤」で記されています。
トリガーポイントというのは押したときに痛みを出す筋肉のシコリのある部分です。

今回の患者様は短指屈筋たんしくっきんが痛みを出していたことが分かります。
リンク先のX印の部分辺りを押すと、足の指の付け根に痛みが出ていました。

この筋肉にトリガーポイントができるのは
きつ目のクツ、特に足の指が動きにくいクツを履いたときです。

いったんトリガーポイントができてしまうと
足の指が動きにくいクツは、この痛みの出る状態を持続させる傾向にあります。

また、足にねじれがあってカカトが大きく内側に倒れやすい足(過回内かかいないの足)の場合も
この痛みの出る状態を持続させます。

過回内

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)

1-2.治療

この患者様の場合はまず足の捻じれの影響が出ないように、
構造的にすぐれたクツを買っていただき、
その中に足底板を入れていただきました。

足底板の挿入

完成した足底板をクツに装着する。

さらにトリガーポイントのできた筋肉のマッサージを丁寧に行い、
そののちその筋肉のストレッチを行ないました。

その結果、2~3回の施術の後、ほとんど完全に痛みはなくなりました。
ご自宅でひとりでできるマッサージとストレッチをお教えし、
それを続けていただいたのも、痛みが早く消失した理由のひとつです。

 

2.ランニング時の足の甲の痛み[症例7]

2-1.症状

20歳の男子大学生で、ランニングしている時に
右足の甲に痛みが出るという方がご来院されました。

大学でバスケットボールをやっているそうですが、
トレーニングの一環でランニングをしている時に痛むということです。
もちろんボールを使った練習中にもたまに痛みます。

レントゲン撮影では骨にはまったく異常がなかったとのことです。
正座をすると足首の前が突っ張ってしまいます。

そこで仰向けになっていただいて、右のスネの筋肉を弛めました。
もう一度正座していただくと、今度は楽に正座できるようになりました。

スネの前の筋肉というのは下記のリンク先にある
長指伸筋ちょうししんきん」という名前の筋肉です。

長指伸筋のトリガーポイント図

図には親指に行っている「長母指伸筋ちょうぼししんきん」もいっしょに描かれています。
親指に近い方の筋肉がこの筋肉です。

この「長指伸筋ちょうししんきん」という筋肉にトリガーポイントが発生すると
リンク先の左の図のように、足の甲に痛みが出ます。

ではどんな時にトリガーポイントが発生するかというと
つまずいたり転倒したりしたときです。
また長時間自動車のアクセルを踏み続けたり、
女性ではハイヒールを履き続けると発生することがあります。

さらに足に捻じれがあり、カカトが大きく内側に倒れやすい足の場合は
この筋肉に大きな負担がかかるようになりますので、
発生したトリガーポイントが持続しやすくなります。

2-2.治療

ですからまずは足の捻じれの影響を最小限にするために、
構造的にすぐれたクツを購入していただき、
その中に足底板を入れてもらいました。

さらにご自分でできるマッサージとストレッチをお教えし、
ご自宅や学校で行っていただきました。

その結果、3~4回の施術で痛みはすっかりなくなり、
その後も痛みが発生することはありませんでした。

からだの痛みは色々な原因で起こりますが、
レントゲン撮影をしてもよく分からない場合は
筋肉のトリガーポイントから痛みが来ていることがよくあります。

そして足に捻じれがあり、
過回内かかいない(カカトが内側に倒れすぎる動き、オーバープロネーション)が起こっていると、
筋肉のトリガーポイントが取り除きにくい傾向にあります。

まずは構造的かつ機能的にすぐれたクツを購入し、
その中に足の捻じれを補正する足底板を入れておけば、
改善が早くなることでしょう。

その上で筋肉のトリガーポイントに対する施術を行なえば
痛みは取り除きやすくなります。

足底板は日本ではまだ認知度が低いのですが、
欧米では積極的に使われています。

長年、頻繁にギックリ腰を起こしていた私ですが、
足底板を使い始めてからは、まったく腰痛を起こさなくなっています。

足や腰にトラブルを抱えた方は、
ぜひ一度お使いになって見て下さい。

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