有名なつま先運動は本当に外反母趾に対して効果があるのか?

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外反母趾になると、足の親指が外側つまり小指側に曲がってしまいます。最初は少し曲がっているなというくらいだったのが、気がついたらずいぶん曲がってしまっている。これは大変だということで、色々とネットで調べて実行するんだが、なかなか思ったように親指がまっすぐにならない。たぶんこんな人がたくさんいらっしゃることと思います。
そのうちにつま先運動で外反母趾が完治したという女性アナウンサーのことを知って、毎日エクセサイズを行うようになる。こういう方が結構いらっしゃると思います。(メルマガ2016年11月5日号)

1.外反母趾の形が戻ったと思ったら・・・

実際に多くの患者様に接して思うのは、
いったん曲がってしまった親指は
元のようにまっすぐにはならないことが多いのです。

延べ20000人くらい診たと思いますが、
テーピングを貼っても運動をしても
元通りにまっすぐになった人は二人しか見たことはありません。
しかもそのうちのひとりは再発しています。

ずいぶんマシになった人は何人か見たことありますが、
それはほんの一握りの人で、しかもかなり軽い外反母趾の人でした。

それといったんはかなり改善したと思われた人が
再び当院を訪ねてきたことがあります。
また曲がってきていると言って。

 

2.なぜふたたび変形したのか

なぜまたふたたび親指が曲がってきたのでしょうか。
それは原因が取り除かれていないからです。
原因とは何でしょうか。

それは足の捻じれ・ゆがみです。
外反母趾の人は両親のどちらからか、
外反母趾を起こすような足の特徴を引き継いでいるのです。

前足部内反と前足部外反

足の捻じれ・ゆがみの例
足の前半分の内側が上がっている足(左)と外側が上がっている足(右)
(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p8, 11)

ではその外反母趾を引き起こす「足の捻じれ・ゆがみ」は矯正できるのか。
答えは「できません」です。

「え?」
「できない?」
「馬鹿にするな!」

 

3.足の変形を補正する

ちょっと待って下さい。
生まれ持った足の形は矯正することはできません。
足そのものの形を変えることはできませんが、補正することはできます。

足の捻じれやゆがみの影響が出ないように
足底板をクツに入れて、ゆがんだ足を補正して
正しい動きをするようにしてあげるのです。

足底板の挿入

完成した足底板をクツに装着する。

軽度な外反母趾ではなく、
もっと強い外反母趾の場合でも、
足底板を使うだけで進行が抑えられたり、
あるいは痛みが取り除かれたりする場合もかなりあります。

かなり進んだ外反母趾の場合は
手術を考えた方がいい場合もあります。

さらに手術をした場合でも
足の捻じれやゆがみの影響が再び出ないように、
足底板をクツに入れておくことが重要です。

 

4.つま先運動は効果があるのか?

TBSの海保知里アナウンサーが実行して外反母趾を治したということで、
話題になった「つま先運動」というのがあります。

壁に向かって立って、壁に手をついた姿勢で、
カカトをゆっくり上げてつま先立ちをします。
次にカカトを床に着けて、ふたたびカカトを上げる。
これを繰り返すのです。

つま先運動

つま先運動

当院の患者様で比較的軽いと思われる方に
半年ほど毎日続けて行なっていただきました。

結果はというと、ほとんど親指に変化はなかったのです。
では誰が行なっても効果がなかったのかというと、
中には効果があったという人もいました。

しかし、皆さん、安心してはいけません。
一時的に治ったとしても、また元に戻る場合もあるのです。
いや、足の捻じれが変わっていないので、
生活習慣が同じならばみんな元に戻る可能性が強いのです。

そうならないように、ふだんからきちんとしたウォーキングシューズに
自分に合った足底板を入れておくのが大事です。
仕事でパンプスを履かざるを得ない方は
パンプス用の足底板を使います。

さてその後、海保アナウンサーの足はどうなったのでしょうか。

 

5.衝撃的な事実!

外反母趾の海保アナウンサーは
2006年(平成18年)3月17日放映のテレビ番組の中で、
「つま先運動」を教えてもらったようです。

その後も運動を継続して行なった結果、
同年8月17日放映のテレビ番組で
外反母趾がほぼ完治するまでに改善したことを発表しました。

その体験が非常に有名になって
外反母趾で悩んでいる人たちが
その運動を積極的に行なうようになったのです。

その後、海保アナウンサーはご結婚され、
2008年(平成20年)にTBSを退社されています。

アメリカで生活されていた海保さんですが、
2013年(平成25年)4月29日のブログにこのようにお書きになっています。

「ちょっと歩いただけで
外反母趾の所が痛みだし、
なんだか足腰弱ってます」

エクセサイズで一時的に外反母趾が改善したとしても、
生まれ持った足の構造は変わっていないので、
ふたたび外反母趾になることが多いのです。

エクセサイズで親指の変形が改善したら、
すぐに足底板を入れるべきです。
そうやって改善した状態を維持しなければなりません。

いや、最初から足底板をクツに入れた生活を行ないながら、
毎日のエクセサイズを続けたら、
もっとよい結果が出るに違いありません。

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