
O脚を改善するためにはまず足が大きく内側に倒れ過ぎることを防がなければなりません。この異常な動きは親から引き継いだ足の捻じれやゆがみにあります。したがってこれをエクセサイズなどで矯正するのは不可能なのです。そのため、この足の異常な動きを抑えるために足底板(そくていばん)という特殊な医療用のインソールを使うのですが、この足底板も体重をかけずに作ったものでなければ、十分な効果を発揮することはできません。(メルマガ2017年11月22日号)
1.O脚の根本原因を改善する方法
前回、足が内側に倒れることで骨盤が前に倒れ、
その結果としてO脚を引き起こすことを説明しました。

足の変形が過回内(オーバープロネーション)を起こす。(Pod Mech vol.2. 株式会社インパクトトレーディング, 2006, p9)
では足が内側に倒れ過ぎないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
足のエクセサイズを行うのでしょうか。
残念ながら足が内側に倒れるのは生まれつきの足の構造によるのであり、
この構造がエクセサイズで改善することはまずないです。
ではどうするかというと足底板というものを作って
足が内側に倒れ過ぎるのを止めるのです。
足底板というのは医療用の靴の中敷き(インソール)です。
足底板を使用した上で、O脚矯正のストレッチやエクセサイズを行うと、
足底板を使わない場合よりも、その効果が出やすいし、
また改善した下肢の状態が維持されやすいのです。
この足底板を構造的に優れたウォーキングシューズに入れ、
これを履いて歩くとO脚が改善されやすいし、
改善されたO脚が元の悪い状態に戻るのを抑制してくれます。
ではどのような足底板でもいいのでしょうか。
2.O脚矯正に最良の足底板の選び方
足がなぜ内側に倒れ過ぎるかというと
足が内側に倒れる距離と外側に倒れる距離の割合が
正常の場合とは違うからです。
足が内側に倒れ過ぎるときには
内側に倒れる距離が、正常の場合よりも大きくなっています。
これは足に捻じれがあるからです。
足首にある距骨下関節を真直ぐにしたときに
カカト、親指の付け根、小指の付け根の3点が
同一水平面上に来ないことが原因です。
もしスポンジのようなものに足裏を押しつけて足型を取ると
本来は同一水平面上にない3点が、
押し付けられることによって同一水平面上に置かれることになり、
正しい足型を取ることができなくなります。
ですから足底板を作るときには立った状態はもちろんのこと、
たとえ椅子に腰かけた状態でも、体重をかけてはいけないのです。
ではどのような姿勢で足底板を作るかというと
うつ伏せの状態か、仰向けの状態か、
あるいは腰をかけて足を宙ぶらりんにした状態でなければなりません。
https://www.youtube.com/watch?v=_AAs6isxpLY
(当研究所での足底板の作り方)
そうでなければつぶれた状態の足に合わせた足底板が出来上がってしまい、
足はもちろんのこと、それに続くスネや膝やフトモモの動きを
正しくすることができなくなるのです。
じつは体重をかけて足底板を作ってはいけない理由がもうひとつあるのですが、
このことはまた違う機会にお話ししたいと思います。
まずは足に合った足底板を作ること。
そしてO脚矯正のエクセサイズやストレッチを行うこと。
この2つを行えばエクセサイズやストレッチのみの場合よりも
O脚が早く改善しますし、改善されたものが維持されやすくなります。
ですからO脚矯正は足底板の作成から始めるべきなのです。